...うす汚い毛布をひき被って横になったが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...うす汚い裏小路に...
竹久夢二 「砂がき」
...うす汚い股引をつけた兩脚がによつきと出てゐる...
太宰治 「道化の華」
...こんなうす汚い水神様がお姿をあらわしたところで...
田中貢太郎 「春心」
...その上に名のとおりのうす汚い古本を並べた...
田中貢太郎 「妖影」
...ナナ あのうす汚いゴミめ! 異教徒どもが! もし許されるなら――ヘレナ (ドアのところで後ろ向きになって)ナナ...
カレル・チャペック Karel Capek 大久保ゆう訳 「RUR――ロッサム世界ロボット製作所」
...うす汚い其処の小犬にコール・ビーフの切れをやって笑っていると...
豊島与志雄 「掠奪せられたる男」
...肥ってこそいたが、うす汚い、愚かしい顔付の、平凡な島民の子である...
中島敦 「環礁」
...そこの宿屋も前日のうす汚い宿屋に似てゐた...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...矢張り細い露地に面したうす汚い長屋です...
三浦環 「お蝶夫人」
...昔はずゐぶんうす汚いものであつたらうと思ふ...
吉川英治 「折々の記」
...鍛冶屋町のうす汚い木賃(きちん)に宿をとって...
吉川英治 「黒田如水」
...あのうす汚い老爺(おやじ)は!」孫策は不快ないろを満面にみなぎらして...
吉川英治 「三国志」
...職人町の間に挾まってうす汚い古寺だった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...うす汚い浪人者と...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...うす汚い袷(あわせ)も袈裟(けさ)も...
吉川英治 「宮本武蔵」
...うす汚いその汗のにおいが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...唐蜀黍(とうもろこし)の毛をすこし植えたように、鼻の下にうす髭(ひげ)が生えている、尺八を持っているから虚無僧と人も見ようが、うす汚い着物に、一腰(ひとこし)の太刀を帯び、乞食か侍か、よく見ないと判断のつかないような五十男である...
吉川英治 「宮本武蔵」
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