...陰の中にうようよとうごめく群れの中からは太く錆(さ)びた声が投げかわされた...
有島武郎 「或る女」
...五軒目には人が住んでいたがうごめく人影の間に囲炉裡(いろり)の根粗朶(ねそだ)がちょろちょろと燃えるのが見えるだけだった...
有島武郎 「カインの末裔」
...一つづつうごめくを見申し候...
泉鏡花 「凱旋祭」
...うごめく胎兒(たいじ)の蠢動(しゆんどう)によりて...
アダ・ネグリ Ada Negri 上田敏訳 「母」
...黒いもののうごめく気勢(けはい)が...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...時によっては身体の一部分だけ活動写真の大写しの様にうごめくのです...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...そのうごめくものを見つめていました...
江戸川乱歩 「青銅の魔人」
...やみの中にうごめく...
江戸川乱歩 「鉄塔の怪人」
...創生うごめく気配のあること...
太宰治 「創生記」
...ヒクヒクとうごめくのである...
中島敦 「狼疾記」
...春としなれば山奧のふかい森の中でもくされた木株の中でもうごめくみみずのやうに私のたましひはぞくぞくとして菌(きのこ)を吹き出すたとへば毒だけ へびだけ べにひめぢのやうなものかかる菌(きのこ)の類はあやしげなる色香をはなちてひねもすさびしげに匂つてゐる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...尾根のほうへ虫がうごめくように這いのぼっている...
久生十蘭 「一の倉沢」
...うごめく陽に淡く色づいた空には化物のような怪雲が幾重にも積み重なって...
松濤明 「春の遠山入り」
...上を下へとうごめく将士は...
吉川英治 「三国志」
...うごめく敵へそなえて...
吉川英治 「私本太平記」
...その影にうごめく...
吉川英治 「神州天馬侠」
...その腐(す)えたる文化の中にうごめく蛆(うじ)についてなど考えている遑(いとま)がなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...新吉がうごめく侍に目を白くしている間に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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