...いやみな色気だ、袖屏風(そでびょうぶ)で倒れやがる、片膝はみ出させた、蹴出(けだ)しでね...
泉鏡花 「薄紅梅」
...黄色いカーテンで隠されていたが、太い鼈甲縁(べっこうぶち)の目がねをかけ、ベレー帽に茶色のジャンパーを着た、いやみな股野が、そこにいることが想像された...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...江戸でいふ「場ちげえ」ほどいやみなものはありません...
竹久夢二 「砂がき」
...人は、むやみに金を欲しがつてもいけないが、けれども、やたらに貧乏を誇るのも、いやみな事です...
太宰治 「清貧譚」
...あるいはいやみな感傷などが主なる基調をなしている...
寺田寅彦 「柿の種」
...きわめて月並みないやみな感想に過ぎなかった...
寺田寅彦 「球根」
...例のいやみな神尾の癖がと...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾のやり方のいやみなのに苦々しい面をしたので...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾はいやみな笑い方をしながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...いやみな面だったろう」「ああ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...半年一年も過ぎて見たらんには嘔吐(おうと)を催すべきほどいやみなる句ぞ多き...
正岡子規 「俳諧大要」
...いやみな笑を口許に浮べてさゝやいた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...「いやみなことはありませんよ...
山本周五郎 「おばな沢」
...なにを笑うのよ」「いいよ」栄二は笑いやみながら片手を振った...
山本周五郎 「さぶ」
...それでいてちっともいやみなところはないし...
山本周五郎 「ひとでなし」
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