...頬被(ほおかむり)をしていなすった...
泉鏡花 「歌行燈」
...……落着いて視(み)ちゃあいなすったが...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...「……しかし思い違いなすっているようだが...
海野十三 「深夜の市長」
...ただ遊びに来たものとでもお思いなすったのでしょう...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...「気持が好いと云いなすった」「気持が好いと云った」「気持が好いとぬかした」等々の立場があり...
中井正一 「生きている空間」
...どこへも出ずに待っていなすって下さい」「…………」「下手人は判りました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...柄杓(ひしゃく)で一杯飲んで――」「それから騒ぎの始まるまでここに休んでいなすったのか」「大方そうだんべい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...せいせいなすつたでせう?」「さうだね」「冷い人だつたわ...
林芙美子 「浮雲」
...モロに皇帝に喰い下って巴里で大尽遊びをしていなすった方だから...
久生十蘭 「魔都」
...恐らくその御方のお思いなすったのよりも...
堀辰雄 「ほととぎす」
...あの人のたずねていなすった子どもかい」「おお...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...年寄の涙もろさから自と流れ出るものと思いなすかもしれない...
宮本百合子 「大いなるもの」
...金吾さんはしかたなくその金を敏行さまに渡してしまいなすったそうでございます...
三好十郎 「樹氷」
...まるで小さい子のように遊んでばかりいなすってね...
三好十郎 「樹氷」
...お会いなすった上で是非貰いたいとお思いなすったら御自分でおっしゃりにくいでしょうから...
村井弦斎 「食道楽」
...「今あっちの座敷で弁当を上がっていなすった依田先生が もう怪談はお預けにして置いて帰ると云われたので...
森鴎外 「百物語」
...こんど津田玄蕃(げんば)という人の妹をおもらいなすったんですって」「松山というのは茂庭周防(すおう)のことだな」と六郎兵衛が訊いた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...仲達は営所に帰るやいなすぐ左右の者を派してその部将を床几(しょうぎ)の前に求めた...
吉川英治 「三国志」
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