...慌(あわただ)しく枝に走り昇り...
巌谷小波 「こがね丸」
...うまく行って昇華作用を経れば...
江戸川乱歩 「疑惑」
...それっ! とばかりにこうして昇降機上の人となってきた六階の六三七号室である...
谷譲次 「踊る地平線」
...「番頭さん」が「常務さん」に昇格して羽織前掛の代りに背広を着...
谷崎潤一郎 「細雪」
...夫と腕を組みあわせて階段を昇って行きながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...雑多な物音の入り交った街路の喧騒が立ち昇っていた...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...善意と友情によりて碧空(ひきくう)一点の雲翳(うんえい)を止めざる所まで昇るを要する...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...立昇る土煙(けむ)りに...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...その辺まで昇ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...白い湯気の立昇るお湯の面に...
原民喜 「潮干狩」
...昇降場の磨硝子の円蓋(ドーム)には水蒸気が白くたち罩め...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...天へ昇って行ったという文句があるのであります...
深瀬基寛 「悦しき知識」
...疑いも無く昇は、課長の信用、三文不通の信用、主人が奴僕(ぬぼく)に措く如き信用を得ていると云ッて、それを鼻に掛けているに相違ない...
二葉亭四迷 「浮雲」
...何処へ昇つて行くのか解らない空しい階段の一端を眼にでもしてゐるかのやうな...
牧野信一 「熱い風」
...もう石段を昇りはじめた...
牧野信一 「夏ちかきころ」
...文楽を特別に贔屓の梅島昇もすぐ私のうしろのところに来ていた...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...「ヘエー呂昇は男だと思っていたが女だったのですか」と先生は眼をみはったということである...
武者金吉 「地震なまず」
...手紙に宗壽と並べて擧げてある三島の鯉昇は...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
便利!手書き漢字入力検索