...曇らされざる眼を以つて自己と自己の内容とを反省したことがある者の何人も拒み得ないところである――この事實を閑却してはならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...斜面でも知らないところはなかつた...
オウ・ヘンリ 三宅幾三郎訳 「水車のある教會」
...「興味がなくなっちゃった」「そこが加柴のいけないところだ」「いけなくても勘弁してくれ」俺はクララのところへ飛んで行ったのである...
高見順 「いやな感じ」
...いつわりの無いところも...
太宰治 「新ハムレット」
...ずいぶん細かいとこまでも行き届いて調べられてて...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...我々芸術を学ぶものの何うしても一度は通らなければならないところのものだ...
田山録弥 「心の階段」
...ひとつ忌憚のないところをきかしてくれ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...それは私が結局何物もないところに何物かを求めているためであろうか...
寺田寅彦 「日常身辺の物理的諸問題」
...彼の好まないところだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...薄暗いところに安置されてあるのを見ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「土手の道哲(どうてつ)の真似事さ――日本堤(づつみ)は昔から乞食坊主の多いところだよ」平次は懐中を捜して青銭を二三枚掴み出すと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...」「まあこんなせまいところにねるのですか...
林芙美子 「新版 放浪記」
...すべることこの上もないところへ...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...その日はまたよほどうまいところへ逃げこんでしまったとみえて...
久生十蘭 「葡萄蔓の束」
...「いいところへ来てくれたな坊や...
正岡容 「圓太郎馬車」
...いかにも大阪育のぼんちらしいところのある...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...調子の面白いところを口癖にするのを...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...と云いたいところだろう」「なにが覚えているかいなの」栄二はそっとまた頭を振った...
山本周五郎 「さぶ」
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