...ガラス玉のように遠いところを見つめていた...
海野十三 「火星兵団」
...その聲を聞くといつも感心する耳を傾けずにはゐられない時々休んで止めては間を置いてから落着いてゆつくりと沈默の中から自ら開けて來る樣に奧深いところで靜かに啼き初める...
千家元麿 「自分は見た」
...二時にもう五分しかないという、危いところで、ふと、うしろを振りかえる...
太宰治 「雌に就いて」
...日の照っているところへ連れ出したら顔の蒼白(あおじろ)いところへ白粉(おしろい)の斑(まだら)に剥(は)げているのが眼について汚(きたな)くってたまらなかった」そういって柳沢は顔を顰めて...
近松秋江 「うつり香」
...たちまちにしてオランダといふとんでもないところへ逸れていつてしまふのだつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...やつとの思ひでひと足づつ踏みこんでいつていよいよ見つかりさうなとこまでゆくとお国さんは隅の暗いところから「おばけー」と白眼をして出てくる...
中勘助 「銀の匙」
...なんにしても珍しいところで会いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...早く帰していただくようにね」「畏(かしこ)まりました」「近いところだけれど...
中里介山 「大菩薩峠」
...從兄妹(いとこ)同士だけれども...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...遠慮のないところを見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...むさ苦しいところですが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...」「遠いところから...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それはわたしが少しも疑わないところである...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...○台南州新豊郡関廟庄関廟にてこれは面白いところだね...
柳宗悦 「台湾の民藝について」
...二度まで危ないところを救われたのである...
山本周五郎 「風流太平記」
...そこで、その彼からいま、「佐渡へ」と、命じられ、また、「抜かるな」と、いわれた一色右馬介が、深いところは、何も問うなく、「心得まいた」として、ただちにその晩、小壺ノ浦でふたたび高氏に別れて去ったのも、じつに幼君又太郎時代からの傅人(もりやく)だった右馬介なればこそだった...
吉川英治 「私本太平記」
...従兄弟(いとこ)様の光春様へも...
吉川英治 「新書太閤記」
...珍らしいところで逢ったもんじゃないか……...
蘭郁二郎 「睡魔」
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