...折角(せつかく)の評論も全く事実に適(てき)せずして徒(いたずら)に一篇の空文字(くうもんじ)を成(な)したるに過ぎず...
石河幹明 「瘠我慢の説」
...いたずらにおもしろくないとか何とかいつて騒ぐのはあたかも空の池に魚を放つておいて魚が泳がないといつて騒ぐようなものである...
伊丹万作 「雑文的雑文」
...太い粗雑なそのロープはいたずらに彼の掌中に無数の擦過傷を残したまま...
大阪圭吉 「デパートの絞刑吏」
...はいてんのか」俺もいたずらの気持になって...
高見順 「いやな感じ」
...瓢屋の婢(じょちゅう)は川獺の悪戯(いたずら)をする晩を知っていて...
田中貢太郎 「築地の川獺」
...罪の深い悪病のいたずらか...
中里介山 「大菩薩峠」
...いたずらの裏を行って...
中里介山 「大菩薩峠」
...ドコにもいる鼠という悪戯者(いたずらもの)であったのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...この問題を解釈しないでいたずらに同化するのは世のためにならぬ...
夏目漱石 「野分」
...むかしのいたずらをはじめたと...
新美南吉 「いぼ」
...いたずらに煩わしくなるだけであるから...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...まあこのいたずら小僧! あたしがおかあさんとの約束をまもっているしかえしなんだ...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...いたずらに日月を送るほどに...
南方熊楠 「十二支考」
...膝を交えて離別を語るのいたずらなりしを思い当りて悔ゆれども...
宮崎湖処子 「空屋」
...徒(いたずら)にここが直角になることは血液循環(じゅんかん)の上からも又(また)樹液運行の上からも必要としない...
宮沢賢治 「饑餓陣営」
...いたずらに新しさを求めてあせる作家たちの心より...
柳宗悦 「多々良の雑器」
...ずっと後(あと)になって色んな悪戯(いたずら)をはじめる...
夢野久作 「冥土行進曲」
...まだ、狼藉(ろうぜき)の夜の足痕(あしあと)の残る、裏庭の連翹(れんぎょう)の花は、春をいたずらに、みだれて咲いて――...
吉川英治 「無宿人国記」
便利!手書き漢字入力検索