...いずれにせよ、昨夜は、早くからこの中に身を潜めていたに違いありません...
江戸川乱歩 「悪魔の紋章」
...いずれにせよ、ベナビデスがどういう経路によってどこから入手して飼育し始めたものか、またその改良した点がどういう種類との交配によってどういう部分に現れているものか、もちろん私共はその方面の専門家ではありませんから詳しいことなぞはわかろうはずもないのですが、さてそれならば、この犬はどういうわけでそれほどまでにも婦人たちによって愛玩せられるか? はなはだ申し上げにくい説明になってまいりますが、忌憚なくその説明しづらい点を申し上げてしまいますと、この犬は婦人の享楽を最も長時間にわたって持続せしめるということと、その与える快楽が到底男性から味わい得るくらいの比ではない、凄まじい淫楽的なものであるという点に帰するのです...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...いずれにせよ、金を持ち出すのは憚(はばか)るから、リュックの中には家に伝わる、金目な書画や骨董類でも、詰めているんだなと察しました...
橘外男 「仁王門」
...いずれにせよ、その婦人の来訪を受けたのは、その翌年の五月頃であった...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...いずれにせよ破滅したのだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...いずれにせよ産物交易は...
服部之総 「志士と経済」
...だがいずれにせよ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...いずれにせよ、私は出来るだけのことをいたしますからどうか御安心下さい...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「真壁のうしろには仙台の力がある」と私は念を押しました、「ほかに手段がないとしても、真壁をやったばあい仙台がどう出るか、奥羽連合が黙っているかどうか、その点のみとおしはどうなんだ」「わからない」杉永は答えました、「しかし近いうちに討幕の勅命が出るという噂もあり、奥羽連合の結束もぐらつきだしたようだ、真壁を失ったぐらいで、仙台が直接行動に出るとは思えない」「それは確実なことか」「こういう情勢の中では、確実だと云えることなどは一つもないだろう、いずれにせよ、ここはまず断行することが先だと思う」私は立ちあがって縁側へ出ました...
山本周五郎 「失蝶記」
...いずれにせよ信玄の出陣は一歩出遅れとなっている...
吉川英治 「上杉謙信」
...――いずれにせよ...
吉川英治 「黒田如水」
...玄徳はいずれにせよ...
吉川英治 「三国志」
...いずれにせよ、「何、何...
吉川英治 「私本太平記」
...いずれにせよ、二万の軍も、雲散霧消のていだった...
吉川英治 「私本太平記」
...いずれにせよ陣葬のこと...
吉川英治 「新書太閤記」
...いずれにせよ、池田入道勝入は、秀吉へ味方を約した手始めに――まだ何ら秀吉から、催促もないうちに、加担(かたん)第一歩の証(しるし)を、あッさり犬山攻略という手みやげで西軍へ示した...
吉川英治 「新書太閤記」
...いずれにせよ、この一書簡は、僅々数行の短文に過ぎないが、いろいろな面から考えて、近来、愉快な発見だった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...いずれにせよ蜂須賀の原士(はらし)なるには相違ない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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