...□生きてゐる中は、褒めていけず、わる口を言つていけず、いくら本当のことを言はうと思つても、無意識的に、鍍(めつき)をせずにはゐられないのだから困る...
田山録弥 「批評」
...よくもそんないけずうずうしい事が考えられたものね!』と細君の眼が語っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「富籤」
...「何しろ、芸州広島の大守、四十二万六千石、浅野様のお下屋敷から、俺らの芸をお名ざしで御贔屓(ごひいき)だ、籠抜け一枚でも曲(きょく)がねえと思うから、誰かこの仲間にお相伴(しょうばん)をさせてやりてえと思うんだが、いずれを見ても道楽寺育ちだ、荒熊でいけず、阿房陀羅でいけず、そうかと言って縄衣裳の親方や、仮声使(こわいろづか)いの兄貴でも納まらねえ、なんとか工夫はあるめえかな」籠抜けの伊八は、なおそこにゴロゴロしている芸人どもを物色すると、「それじゃあ、紅(べに)かんさんにお頼ん申したらよかろう」「なるほど」紅かんさんと言い出すものがあって、籠抜けの伊八がなるほどと首を捻(ひね)ったが、「紅かんさんなら申し分はねえけれど、紅かんさんは聞いてくれめえよ、あの人はこちとら仲間のお大名だから」「そりゃそうだろう...
中里介山 「大菩薩峠」
...この手の客はトカクはなれていけず...
中里介山 「大菩薩峠」
...鉛筆の正しいけずり方や...
中谷宇吉郎 「鉛筆のしん」
...今から一寸此伯母にいけずをし度くなるのだつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...最初から江戸の市民でなくてはいけず...
野村胡堂 「銭形平次打明け話」
...一滴もいけずか」「有難い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...内儀とお紋の力では始末にいけず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...声、又いけず、大岡をいつもの橘屋から急に高麗屋でやったので皆びっくり...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...馬をも人をも吃(く)いければ生(いけずき)など...
南方熊楠 「十二支考」
...かつて頼朝の名乗生嘱(いけずき)を出すという...
南方熊楠 「十二支考」
...何時もあのやうにいけずしやはりまんのか...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...どうも生(いけずき)がほんとではないかという気がする...
吉川英治 「随筆 新平家」
...「ご秘蔵の名馬生(いけずき)を...
吉川英治 「源頼朝」
...「生(いけずき)はいけない」頼朝は...
吉川英治 「源頼朝」
...悍気(かんき)の立った生(いけずき)も磨墨(するすみ)も...
吉川英治 「源頼朝」
...やり過ぎていけず...
吉田茂 「私は隠居ではない」
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