...……活きたものは、いざとなると、どんな事をしようも知れない、可恐(おそろし)いようね、ええ?……――もう行(や)ってる、寝込(ねごみ)の御飯をさらって死人焼で目刺を――だって、ほほほ、まあ、そうね……いえね、それについて、お前さん――あなたの前だけども、お友だちの奥さん、京千代さんは、半玉の時分、それはいけずの、いたずらでね、なかの妹(お民をいう)は、お人形をあつかえばって、屏風(びょうぶ)を立てて、友染の掻巻(かいまき)でおねんねさせたり、枕を二つならべたり、だったけれど、京千代と来たら、玉乗りに凝ってるから、片端(かたっぱし)から、姉様(あねさま)も殿様も、紅(あか)い糸や、太白で、ちょっとかがって、大小護謨毬(ゴムまり)にのッけて、ジャズ騒ぎさ、――今でいえば...
泉鏡花 「開扉一妖帖」
...□生きてゐる中は、褒めていけず、わる口を言つていけず、いくら本当のことを言はうと思つても、無意識的に、鍍(めつき)をせずにはゐられないのだから困る...
田山録弥 「批評」
...よくもそんないけずうずうしい事が考えられたものね!』と細君の眼が語っていた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「富籤」
...はた未来の生(いけずき)...
中里介山 「大菩薩峠」
...おのろけの中に入りません」「悪口もいけず...
中里介山 「大菩薩峠」
...おれも面白くねえから、あんまり大事にしてやらなかったが、やっぱり前の男と切れなかったのか、また別のをこしれえやがったのか、ああして追出(おんで)てしまやがって、その後は、さっぱり消息(たより)を聞かねえ、聞きてえとも思わねえし、聞きたくもねえのだが、ロクなことはあるめえよ、本木(もとき)にまさる末木(うらき)なしでなあ、人間、一ぺん夫婦となった以上は、どっちにどういう間違いがあっても、離していけず、離れていけねえ、間男(まおとこ)をしようとも、やくざをしようとも、そりゃ亭主の器量が足りねえんだとあきらめて、嬶は免(ゆる)してやることだ、一生可愛がってやることだ、おれはそう思うよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...鉛筆の正しいけずり方や...
中谷宇吉郎 「鉛筆のしん」
...今から一寸此伯母にいけずをし度くなるのだつた...
長與善郎 「青銅の基督」
...描きすぎていけず...
野村胡堂 「胡堂百話」
...声まだいけず、「ネクタイ」でくさって、女形でいくらか気をよくする...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...寸劇風のもの皆いけず...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...いけずうずうしい奴ったらない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...随筆でもなんでも名を別にしても同一人であってはいけず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いけずきを歌った和歌が遺っているという...
吉川英治 「随筆 新平家」
...古書に“生(いけずき)”とも書き“池月”とも書いてあるが...
吉川英治 「随筆 新平家」
...どうも生(いけずき)がほんとではないかという気がする...
吉川英治 「随筆 新平家」
...悍気(かんき)の立った生(いけずき)も磨墨(するすみ)も...
吉川英治 「源頼朝」
...櫂削(かいけず)りの木剣は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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