...この頃以後は肖像も無数に出来たようであるがまた実に凡庸な作が多い...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...そうして凡庸な探偵はいつも見当ちがいの所へばかり目をつけて...
寺田寅彦 「科学と文学」
...又更に事実上の現象として一見した限りでは多数者の平均的な凡庸な見識のことにすぎぬにしても...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...凡庸な役者は、台詞(せりふ)の意味には気もかけず、ただ台詞回しにばかり注意し、聴衆に及ぼすその効果を、得々として細心に見守っているものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼女らの静平な凡庸な生活やあまりに希薄な空気は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...けれども彼らはなんという怜悧(れいり)な民衆でしょう! 善良な心と強健な肉体とに救われている凡庸な民衆はいくらもあります...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...凡庸な人々の頭脳の中に見出すこと...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これは凡庸なる科学者の罪ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...だが、当然闘いがある、妬み、中傷、凡庸な連中、そして世間との闘いだ...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...凡庸な恋愛風俗と室町時代の仏教思想をなえまぜたようなたわけた話ではない...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...どのような凡庸なる探偵といえども当然の断案を下すのに躊躇することはあるまい...
久生十蘭 「魔都」
...私のかつての凡庸な世界旅行も...
正宗白鳥 「幼少の思ひ出」
...かえりて他の凡庸なる諸生輩(しょせいはい)をののしりき...
森鴎外 「舞姫」
...敢えて詩人の凡庸なることを許さず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...あの凡庸な民衆個々に...
柳宗悦 「工藝の道」
...あの凡庸な民衆の作に何の美が可能であろうか...
柳宗悦 「工藝の道」
...その国民の風俗は眠い醜い凡庸なものに沈むでしょう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...凡庸なご隠居さまなら知らぬこと...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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