...君は?」「僕は今朝(けさ)郁文堂(いくぶんどう)で大井(おおい)君に言伝(ことづ)てを頼んだら何でも買ってくれと云うので...
芥川龍之介 「路上」
...宿へも女にも幾分(いくぶん)か心づけをする...
伊藤左千夫 「廃める」
...その耕作および牧畜より収入せるもののいくぶんを寺院に上納せしむるこれなり)(二)寺領地(寺院にて従来所有せる土地をいう)(三)座料(寺院にてその堂内の席を檀家に配当して...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...大悲劇をいくぶんゆるめ...
海野十三 「火星兵団」
...――気がいくぶん落ちついてくるとともに...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...始めの間は幾分(いくぶん)不快であったけれど...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...いくぶんでもこの国の人の興味をひくためには...
谷譲次 「踊る地平線」
...感心するほうが先に立って純粋な客観的の興味はいくぶんそのために減ぜられるような気もする...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...このせっかくの教育の効果をいくぶんでも減殺しようとするのは考えものであるかもしれないが...
寺田寅彦 「災難雑考」
...人間は先祖のアダムが知恵の木の実を食ったおかげで数万年来受けて来た教育をばかにすることを覚えたために新しいいくぶんの災難をたくさん背負い込み...
寺田寅彦 「災難雑考」
...それにもかかわらず私はこれだけの「実験」によって新聞というものに対する自分の考えにいくぶんかの進展を得...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...いくぶん休養の気分が出て来てみると...
中里介山 「大菩薩峠」
...いくぶん説明がつくのである...
久生十蘭 「無月物語」
...いくぶん古めかしくて...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...それから暫らくするとその事をいくぶん後悔し出しながら...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...静脈のいくぶん浮きだしてきた自分の手をしげしげと見守っていることが多かった...
堀辰雄 「楡の家」
...パッカアがいくぶん下品な興味をもってこの二人の背後を見送ったであろうことは想像し得る...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...上に述べた人の知らない私の心づくしもいくぶん酬いられるわけであるが...
牧野富太郎 「寒桜の話」
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