...冷たき疊の上にいぎたなくねそべりて...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...折り重なっていぎたなく寝そべった労働者の鼾が聞こえた...
有島武郎 「かんかん虫」
...純次の鼾(いびき)がいぎたなく聞こえるばかりだった...
有島武郎 「星座」
...下に寝(い)ねたるその妻、さばかりの吹降りながら折からの蒸暑さに、いぎたなくて、掻巻(かいまき)を乗出でたる白き胸に、暖き息、上よりかかりて、曰く、汝(なんじ)の夫なり...
泉鏡花 「一景話題」
...いぎたなく散らばっていた...
海野十三 「麻雀殺人事件」
...曉を覺えずといふ春眠いぎたなく...
大町桂月 「春の筑波山」
...又夜になつて照ちやんのいぎたなく熟睡して...
高濱虚子 「續俳諧師」
...いぎたなく寝込んでしまった近藤君をたたき起こして...
辻村伊助 「登山の朝」
...女が二人まだいぎたなく熟睡していて...
徳田秋声 「挿話」
...家には妻いぎたなく昼寐(ひるね)の夢まだ覚めやらず...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...大抵皆いぎたなく居眠って...
豊島与志雄 「林檎」
...かうしていぎたなく眠つてゐる人間といふものは...
中原中也 「三等車の中(スケッチ)」
...いぎたなくそこにごろ寝をしているのだった...
橋本五郎 「地図にない街」
...側にいぎたなく寝入って居るお春を叩くようにして起しました...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...いぎたなく畳の上でごろ寝をしている顎十郎の鬢の毛をそよがせる...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...いぎたなく手足を投げだした寝ざま...
山本周五郎 「柳橋物語」
...四人共いぎたなく睡(ねむ)っている様子です...
夢野久作 「白髪小僧」
...まるで海底の海盤車(ひとで)のようにいぎたなく突き出されて見え...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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