...灰のやうに白く乾き切つたそこらの土から地(ち)いきれが火焔(ほのほ)のやうに立ちのぼるのが...
薄田泣菫 「独楽園」
...四五人の人間がそこらに坐(すわ)ったり腰掛けたりしている風通しの悪い室内が汗臭くいきれていたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...」ゆっくりした調子で彼が言いきれないうちに...
豊島与志雄 「白蛾」
...先刻のあのむんむといきれるような肉の塊りであったにも拘らず...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうとばかりも言いきれないが)鏡花氏のそれが...
中島敦 「鏡花氏の文章」
...それから活動小屋のような人いきれのしている所で...
中谷宇吉郎 「清々しさの研究の話」
...玄関は細いきれいな格子(こうし)でたてきってある...
夏目漱石 「三四郎」
...気持ちにせおいきれぬほどの負担ができてしまった...
新美南吉 「屁」
...それが完全とは言いきれません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...彼が編み出す複雑な資金の流れを追いきれる人が果たしているかしら?」ウージェーヌはゴリオ爺さんの膝の重苦しい音を聞いた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...よそうと思っても思いきれぬしばらく経ってアパートの管理人に会って遠まわしに聞いて見ると「五号の田川さんというのは...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...女房たちも若いきれいな人たちは姫君付きに分けられて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...食物の湯気と匂いと人いきれで...
山本周五郎 「七日七夜」
...あたまと体力を使いきれないで困っているのはあの男であろう...
夢野久作 「暗黒公使」
...掬(すく)いきれない河砂ほどもなおあるのだった...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...ここにも無影響とはいいきれないものがある...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...費(つか)いきれんでどうする...
吉川英治 「松のや露八」
...大胆な女性と誰がいいきれようか...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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