...嗟乎(あゝ)年(とし)の倹(けん)せしをいかんせん...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...京漢線(けいかんせん)の汽車にすら乗ることを危ぶんでゐた人達のことだのが...
田山録弥 「北京の一夜」
...○それからだんだん慣れて来たら、ようやく役者の主意の存するところもほぼ分って来たので、幾分か彼我の胸裏(きょうり)に呼応する或ものを認める事ができたが、いかんせん、彼らのやっている事は、とうてい今日の開明に伴った筋を演じていないのだからはなはだ気の毒な心持がした...
夏目漱石 「明治座の所感を虚子君に問れて」
...五年をすぐれば屈強の大人たるをいかんせん...
福沢諭吉 「経世の学、また講究すべし」
...ただいかんせん京都附近の地形は比較的単純で...
柳田國男 「地名の研究」
...いかんせん本軍と連絡のない単立の一部隊では...
吉川英治 「上杉謙信」
...然しいかんせん、城内の兵糧はもう乏しくて、賊は飢渇に瀕してきた...
吉川英治 「三国志」
...いかんせん、この難局に当って、あれこれ苦慮すると、昏迷してしまう...
吉川英治 「三国志」
...皇叔のお手もとにはまだ何らの情報も集まってまいりませんか」「いや、夜来頻々(ひんぴん)、急を告げる報(ほう)はきているが、いかんせん、呉へ参っている軍師諸葛亮(しょかつりょう)の帰らぬうちは……」と、語り合っている折へ、番将の一人が、馳け上がってきて、「ただ今、樊口(はんこう)のほうから、一艘の小舟が、帆を張ってこれへ参る様子...
吉川英治 「三国志」
...――荀攸(じゅんゆう)そちに何か考えはないか」「捨ててはおけず、といって、今すぐに、大軍を催(もよお)すには、いかんせん、わが魏にはなお、赤壁(せきへき)の痛手(いたで)の癒(い)えきらないものがありますから、にわかに無理な出兵も考えものです」さすがに、荀攸は、常に君側にいても、よく軍の内容を観ていた...
吉川英治 「三国志」
...いかんせん兵力も兵粮(ひょうろう)も足らない...
吉川英治 「三国志」
...いかんせん剣閣から祁山(きざん)までは悪路と山岳続きで...
吉川英治 「三国志」
...「――中将どのは、つまり帝のご還幸の露払いとして、山陰山陽の兵二万余騎を擁(よう)し、この四月頃から六波羅攻めを開始されておりますなれど、いかんせん、お公卿さまです...
吉川英治 「私本太平記」
...いかんせん、これまでは、政途の茨(いばら)、四囲の諸事情、足利家として、あらわに御当家と好誼(よしみ)を厚うするなどの儀は不可能にございましたが、今はまったく天下の形勢も異(こと)なってまいりました...
吉川英治 「私本太平記」
...いかんせんお館はその器ではなかった)義元の行状だの...
吉川英治 「新書太閤記」
...和田惟政は、また、「われわれども、死を賭(と)して、殿軍(しんがり)は仕りますが、いかんせん、渡船、荷舟、田舟にいたるまで、船は戦いの前に、敵に攫(さら)われ、また焼き捨てられて、この南中島から対(むこ)う岸へお越え遊ばすには、筏(いかだ)を組まねば相成りません...
吉川英治 「新書太閤記」
...いかんせん兵糧だ...
吉川英治 「新書太閤記」
...――いかんせん彼は北京の案内に晦(くら)かったし...
吉川英治 「新・水滸伝」
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