...ただ神体のない空虚な宮殿のような空(そら)いかめしい興なさを感じさせるばかりだった...
有島武郎 「或る女」
...いかめしい死よ、おまえの沈黙は恐怖をさそう...
ハンス・クリスティアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 楠山正雄訳 「幸福のうわおいぐつ」
...厳(いかめし)い口髯を生やした主人の信之も出た...
石川啄木 「鳥影」
...人造人間部隊はいかめしい...
海野十三 「人造人間の秘密」
...金ピカの肩章いかめしい警察署長も...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...その中には制服いかめしいおまわりさんもまじっているではないか...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...頬髭(ほおひげ)いかめしい年輩の執事が訪れて来ました...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...大きなみごとなかぶと虫がいかめしい角(つの)を立てて止まっているのを見つけた時はうれしかった...
寺田寅彦 「花物語」
...いかめしい顔つきで応接間に案内された...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...かく身体はいかめしく鎧(よろ)っているのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...美々しくいかめしく...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...鳳眼(ほうがん)――といふといかめしくなりますが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一種のいかめしさが彼の身体から消え去らなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...用人といえばいかめしいが...
久生十蘭 「鈴木主水」
...偽装いかめしい氷海の見物客(メール・ド・グラス)ばかり...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...今まではいかめしき事をいひ...
正岡子規 「古池の句の弁」
...いかめしい権力(けんりょく)の命令(めいれい)を逆(ぎゃく)に喜劇(きげき)の種(たね)に利用(りよう)しようとしていたのである...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...横から見ると少しいかめしすぎるし...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
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