...いい気味だ」竹見は...
海野十三 「火薬船」
...井戸は遠いからいい気味だ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...あの連中がひっぱたかれたのかな? それならいい気味だが!……」ラキーチンが騒ぎ立てるのも無理ではなかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...仙波の小倅め、しおしおと引かれて行きあがって、いい気味だ...
直木三十五 「南国太平記」
...「油断も隙もなりゃしねえ、どうもおかしいと思ったんだ、なんだか横顔にチラリと見覚えがあるから、こいつ、おかしいなと思ったんだ――野郎、伊勢の国のことを忘れたか、船大工のうちで、拙者が目をかけてやったのを忘れやすまい、江戸へ出て来たんなら、出て来たと拙者のところへ、一言(ひとこと)の挨拶があっても悪い心持はしねえ、あの目がよ、あれでじいっと心がけをよく養生をしていりゃあ、どうやら物になる眼なんだが、あの心がけじゃ物にならねえや、いい気味だ、あん畜生――いい気味はいい気味だが、今、どこに何をしているんだ、ああして朝湯に来るんだから、この近所にいるんだろう、近所にいるんなら近所にいるで、とかく近所に事勿(ことなか)れ……ところが、どうだ、悪いことはできねえもんだなあ、この晒の切れが、ちゃんと流し元に落っこっていたやつを、人もあろうにこの道庵に見つけられちまった」何か重大な発見でもしたかのように、道庵は息せききって走りつづけているけれども、一向、何を追っているのだかわからない...
中里介山 「大菩薩峠」
...いい気味だ!……僧服の...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...あの地蔵はどうする事も出来ませんと降参をしたそうです」「いい気味ね」「ええ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...――いい気味みたいなもので」梯子を降りた八五郎は囁(ささや)きました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いい気味だよ...
葉山嘉樹 「乳色の靄」
...いい気味かもしれんな...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...いい気味だとおもってすむ程度のなまやさしい犠牲を人民ははらったのではなかった...
宮本百合子 「新しい潮」
...」「出掛けに社の方が持っていらしったお金ある筈よ、まだ、状袋にはいったまんまのお金だわ、お出しにならなかったら、からだじゅう調べるわよ、怖いでしょう、さあ、いい子だから、お手々あげてお襦袢(じゅばん)にポケットがついていて、そこにちゃんとお金はいっている筈よ、ほら、ご覧なさい、こんなにずっしりと状袋が重いくらいだわ、これ、みんな戴いとくわ、そしたらあの人にあげたお金のことなんか、もう言い出さないから、いい気味ね、べそを掻いたみたいな顔をしているわ、あたい、これで先刻から詰っていたものが、ぐっと一ぺんに下がっちゃった...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...いい気味だ」といったような意味から...
夢野久作 「近世快人伝」
...(いい気味!)と...
吉川英治 「江戸三国志」
...「やあ、いい気味だ、いい気味だ! ひっヒヒヒヒヒ」白い歯をむきだして、虚空(こくう)に凱歌(がいか)をあげた蛾次郎(がじろう)は、口にくわえていた細竹(ほそだけ)の杖(つえ)を持ちなおし、ここ、竹童そッくりの大得意(だいとくい)...
吉川英治 「神州天馬侠」
...いい気味だとでも思っていなさるのかえ」「邪慳(じゃけん)なことを言いなさんな...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いい気味だったろうが」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――いい気味だと思っておれは飲んでいるんだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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