...故郷いい年をしてホームシツクでもありますまい...
竹久夢二 「砂がき」
...いい年をしたわたしが……坂の真中でひっくり返って...
中里介山 「大菩薩峠」
...茂太郎はそれを見ていると、みんな立派な人たちが、いい年をして、どうしてまた、あんなに食いついたり、抱き合ったりして、臆面(おくめん)もなく踊れるのだろうと思いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「馬鹿な奴、いくら探したって無いものは有るものか、いいかげんにあきらめて往生しろよ、毎晩毎晩そうして合奏をつづけては、下手な左官の壁塗りのような、薄っぺらなうつしえの実演をやりつづけているそうだが、塗直し、焼直しも、そうそう手が重なっては、凄くもなんともないぞ、市中では鬼頭堂の堂守まで鼻についているぞ、いまに犬も食わないことになるぞ、いいかげんに引込め、引込め」いや、鬼頭天王の堂守といえば、もういい年だが、あれで若い時は相当に美(よ)かったぜ、今こそ堂守で行い澄ましているが、まだ見られる色香、いや、まだ聞かれる声だった...
中里介山 「大菩薩峠」
...物事はそう取越し苦労ばっかりするもんじゃねえ、神仏がいいようにして下さらあ、縁は異なもの味なもので、人間業に行って行かねえやつなんだ、早い話が、甲府勤番支配駒井能登守が、この大海原の真中の離れ島の椰子の木の下で、おれの娘分のお松と出来合うなんていうことが、仏様だってあらかじめ御存じのある事じゃあるめえ、それと同じことに、あの娘だって、どうしようの、こうしようのと、おれがここでやきもき思ったからとて、どうなるものか、冗談は言いっこなし、いい年をして、そんなことができるかい、そんなことをしようものなら、みんなの示しがつくと思うかい、なに、駒井の親玉でさえもあれじゃないか、お前のはそれよりもっと素姓がいいんだぜ、村方総出で許されて来たんだぜ、あの時、村方の者が何と言った...
中里介山 「大菩薩峠」
...とても豊年のつづくいい年も来るような希望が出来て...
林芙美子 「鶴の笛」
...いい年のはじめになるように...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...そういう話がそろそろ三つや四つあっていい年頃なんだ...
久生十蘭 「だいこん」
...いい年をしててんで圓太郎は口が利けなかった...
正岡容 「小説 圓朝」
...もっといい年になればいいと思います...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...いい年とは思えませんでした...
ルイザ・メイ・オルコット L. M. Alcott 水谷まさる訳 「若草物語」
...彼はもういい年配であるが...
宮原晃一郎 「科學的の神祕」
...いい年をして子の様な精女の姿にうなされるとは――はかりきれない美くしさをもって居ると見える...
宮本百合子 「葦笛(一幕)」
...その甲(かぶと)といい馬といい年頃といい...
吉川英治 「三国志」
...※大虫(ぶだいちゅう)の顧(こ)という気ッぷしのいい年増女で...
吉川英治 「新・水滸伝」
...笑ったり這いだしたりする可愛いい年ごろに...
吉川英治 「親鸞」
...太(ふと)り肉(じし)でいい年をして...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ルピック夫人――そいじゃ、もう、いい年だね...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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