...こんな子がみにくいヒキガエルたちと暮らすなんてあんまりだ...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 「おやゆび姫」
...だから、それだから、かず子は、どこへも行かずに、お母さまのお傍(そば)にいて、こうして地下足袋をはいて、お母さまにおいしいお野菜をあげたいと、そればっかり考えているのに、直治が帰って来るとお聞きになったら、急に私を邪魔にして、宮様の女中に行けなんて、あんまりだわ、あんまりだわ」自分でも、ひどい事を口走ると思いながら、言葉が別の生き物のように、どうしてもとまらないのだ...
太宰治 「斜陽」
...夫婦は涙に目くらみ、ものも言えず、子供を仏壇の前に坐らせ、わななきわななき御燈明(おとうみょう)をあげ、親子四人、先祖の霊に手を合せて、いまはこれまでと思うところに、子守女どたばたと走り出て、二人の子供を左右にひしとかかえて頬ずりして、あんまりだ、あんまりだ、旦那(だんな)さまたちは何をなさるだ、われはさっきからお前様たちの話を残らず聞いていただ、死ぬならお前様たちだけで死ねばいいだ、こんな可愛(かわい)い坊ちゃま嬢ちゃまに何の罪とががあるだ、むごい親だ、あんまりだ、坊ちゃま嬢ちゃまは、おらがもらって育てるだ、死ぬならお前様たちだけでさっさと死ねばいいだ、とあたりはばからぬ大声で泣きわめいて、隣近所の人もその騒ぎに起き出して、夫婦の自害もうやむやになり、顔役はやがて事情を聞いて驚き、これは大事とひとり思案し、いかにも夫婦の言うとおり、あの夜われら十人のほか部屋に出入りした人は無し、小判が風に吹き飛んだという例も聞かず、まさかわれら腹黒くしめし合せ、あの夫婦をなぶりものにするなんてのは滅相(めっそう)も無い事、十人が十人とも義に勇んであのいそがしい年末の一夜、十両の合力(ごうりき)を気前よく引受けたのだ、誰をも疑うわけに行かぬ、下手な事を言い出したら町内の大騒動、わが身の潔白を示そうとして腹を切る男など出て来ないとも限らぬ、さりとて百両といえば少からぬ金額、あの夫婦の行末も気の毒、このまま捨て置くわけにも行くまい、とにかくこの事件はわれらが手に余ると分別を極め、ひそかに役人に訴え申し、金の詮議(せんぎ)を依頼した...
太宰治 「新釈諸国噺」
...アレクサンドルイチ」トにじみ声で「お前さんも……あんまり……あんまりだ」...
イワン・ツルゲーネフ Ivan Turgenev 二葉亭四迷訳 「あいびき」
...「ああ、あんまりだ、あんまりだ!」と彼女は叫んだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あんまりだ」お雪ちゃんは...
中里介山 「大菩薩峠」
...「こいつはあんまりだ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「こいつはあんまりだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あんまりだったんです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あんまりだつたんです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あんまりだしぬけだから嘸(さぞ)お前(まへ)おどろくだらうね...
樋口一葉 「わかれ道」
...あんまりだ...
宮沢賢治 「シグナルとシグナレス」
...あんまりだしぬけですから少しも様子が分りません...
宮原晃一郎 「孝行鶉の話」
...あんまりだらしがなさすぎる...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...「何があんまりだえ...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...あんまりだらしがないじゃないの...
山本周五郎 「さぶ」
...あんまりだぜ爺さん」「つきあいを断わるなんということじゃないのさ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...え」「青い、職工服」「ひどいわ」「痛い、この子は」「だって、あんまりだわ、私たち、かんかん虫じゃなくッてよ」「そう、じゃ何?」「――わたし、簪(かんざし)」「――わたし、刺繍(ししゅう)の半襟(はんえり)がほしいわ」「わたし、柳屋で見た、蟇口(がまぐち)」「お金もないくせに」「いいのよう」「ホホホ...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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