...と憐愍(あわれみ)はしたけれども...
泉鏡花 「婦系図」
...恐竜に追われてかろうじてこの海岸へたどりついたわれわれ十名の者をあわれみたまえ...
海野十三 「恐竜島」
...とうとう一生お嫁(よめ)にも行かないで過ごしたことをしみじみおあわれみになりました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...仙台くんだりまで来て小供のするような迷信的なことをするおろかしさを怒りもすればあわれみもした...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...あわれみ深い多くの町の人たちが...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...貴下の御あわれみと御同情とを賜わらんことを懇願仕まつり候(そうろう)...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あわれみの念があり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そこで法然もあわれみが殊に深く浄土の法門を教え...
中里介山 「法然行伝」
...一銭二銭の憐(あわれみ)を乞うのと大した相違はない...
夏目漱石 「虞美人草」
...この不幸な男に対する憐愍(あわれみ)が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...おそらく彼は断食によっては人びとの多くが彼を見るにしのびないというのであわれみの気持からこの実演を敬遠しないでいられないほどもやせ衰えているのではなくて...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...どうか私どものかなしい祈(いの)りを聞いてください」「ええ」「さあいっしょに祈りましょう」「ええ」「あわれみふかいサンタマリヤ...
宮沢賢治 「シグナルとシグナレス」
...ここの所おあわれみ下せえまして...
三好十郎 「斬られの仙太」
...ついに神々もその心根をあわれみ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...人間を畜生以下のものに規定した――生類(しょうるい)おんあわれみ令――と称するお犬様あつかいの二大悪政である...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...「この身の発心(ほっしん)をあわれみ給うて弥陀(みだ)がお手びき下されたことと存ずる...
吉川英治 「親鸞」
...ばばが一念をあわれみたまい...
吉川英治 「宮本武蔵」
...貴様達は知るまいが……復讐……この恨を晴らすために……晴らすために……ああ愉快だ……俺は復讐のために生きるんだ……俺は貴様達に跪(ひざまづ)いて憐(あわれみ)を乞わしてやるんだ……地面(じべた)へ手をつかして……』と猛り狂うのを折よく入って来た父と下男との手を借りてメルジイが戸外へ突き出しました...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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