...あわよくば自分も思いきりいいたい事をいってのけたかった...
有島武郎 「或る女」
...いや、そればかりか、もし賊にかどわかされるようなことがあったら、あくまで不二夫君になりすまして、あべこべに賊の秘密をさぐり、あわよくば、ぬすまれた半分の暗号を取りもどすようにと、教えられていたのです...
江戸川乱歩 「大金塊」
...あわよくばその儘(まま)でいたい...
太宰治 「風の便り」
...あわよくば外国船に乗りこんで...
壺井栄 「二十四の瞳」
...あわよくば三十五年だ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あわよくば進めるところまで進んで...
中里介山 「大菩薩峠」
...あわよくば太閤の故智を襲わんとしているのに...
中里介山 「大菩薩峠」
...あわよくば再び女までも手に入れることが出来るかもしれない」いったい昔から生蕃が出草(首伐り)するのには...
中村地平 「霧の蕃社」
...あわよくば三千五百石の殿様を抱いて自首する積りで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あわよくば小堀の家へケチでも附けようと言ふ術(て)だらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あわよくば縛(ばく)に就かしめんと謀(はか)りしには非(あら)ざる乎(か)と種々評議を凝(こら)せしかど...
福田英子 「妾の半生涯」
...「お家を復興するという名にかくれて――あからさまに云うて進ぜよう――あわよくば家禄の恢復(かいふく)も...
本庄陸男 「石狩川」
...あわよくば一曲御所望を云わせてやろうと思う甲種熱心家が「でも高尚ではありませんか」と切り込むと...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...生きるからには婆娑羅に世をたのしみ、あわよくばまた、天下も取りたい」と、空嘯(そらうそぶ)く者なのかもしれない...
吉川英治 「私本太平記」
...「あわよくば!」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...あわよくば、都へ進撃し、洛中の奪回をさえ意図していたのである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...あわよくば地方の豪族の客となり...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あわよくば、武蔵の歩いた道以外の道を見つけ、とんとん拍子に立身して、まだ不足な物質の世界の体験にその身を飽満させて、人間の生れがいをそこに自覚してみたいという――彼らしい希望さえまだ決して捨ててはいない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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