...あれ以来この大垣(おおがき)もがらりと容子(ようす)が違ってしまいましたが...
芥川龍之介 「疑惑」
...あれ以来、猿沢佐介は感心にも約束を守って、『すみれ』ののれんをくぐらない様子でした...
梅崎春生 「Sの背中」
...ニュースあれ以来...
海野十三 「宇宙尖兵」
...そのわけは、あれ以来、雪子学士の幽霊が町へしばしば現われて都民をおどろかせるのであった...
海野十三 「四次元漂流」
...あれ以来の幾日かというもの...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...あれ以来、心休まる日はなかった――ただの一日も...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「グローリア・スコット号」
...あれ以来今日まで...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところで、あれ以来、私のほうでは何も変っていないんだよ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...あれ以来、叔父様は変わられました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...汝との手紙が一回往復される間には大概予の居住は変つてしまふのだ! あれ以来予は既に三個所も居を移してゐる...
牧野信一 「消息抄(近頃書いた或る私の手紙から。)」
...(即ち曽ての新劇人達の中で、あれ以来、映画でござれ芝居でござれ、金にさえなれば、そして少しでも多い金にさえなれば、その余の事はどうでもよいと言う「お役者根性」になった者達がいる...
三好十郎 「俳優への手紙」
...――あれ以来、おれは一度もこの町をたずねたことがない...
山川方夫 「夏の葬列」
...あれ以来寸刻も忘れ得ず先生の油断を狙いました...
山本周五郎 「松林蝙也」
...……どうもあれ以来...
吉川英治 「大岡越前」
...一夕、長浜で酒茶でもあげたいが、あれ以来、筑前事なお病中にござれば、御道中のおつつがなきのみを、蔭ながら祈り申しておる...
吉川英治 「新書太閤記」
...――が、あれ以来、(秀吉に通じて、われを廃(はい)さんと謀(はか)る逆臣ども)と、ふかく思い込んでいた信雄には、この三名の顔を見るのも、憎悪に胸がむかつく程だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...いつ二人の婚儀を挙げて下さいますのか」「……もう少し先に」「いつのお言葉も」と、政子は、彼のにえきらない口吻(くちぶり)をやや蔑(さげす)むように、「もうあれ以来、半年もこえているのに、まだいろいろなご準備ができないのですか」「婚儀には何の支度もいらぬが、それを挙げるには、同時に、大きな覚悟が要(い)る」「分りきっている事です...
吉川英治 「源頼朝」
...「おう、加山か」「羅門先生には、きのう、江戸表の方へ街道をお急ぎとお見うけいたしましたが、どうして、お戻りなされたので」「貴公こそ、どうしてここへ来ているのだ」「はい、拙者は、あれ以来、奉行所へ戻らずに、遂に、郁次郎の足跡を見つけて以来、彼の影を離れたことはありません」「では、郁次郎がこの島へ来ていることを、貴公はもう知っているのか」「そのために、早速、こんな姿に化けているわけです」「ご熱心だな」と、言ったが、羅門には、ちょっと、自分の功をさらわれたような不快さが、軽く走った...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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