...あれ以来、そっけないと言おうか、あるいはよそよそしい態度を、栄介に対して幸太郎は保持し続けている...
梅崎春生 「狂い凧」
...あれ以来というものは...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...妙子があれ以来その男を思いつづけていたとしたら...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...あれ以来はじめての事かも知れない...
太宰治 「津軽」
...あれ以来空家になっている旧シュトルツ家の境界の金網の方へ行って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...そうしてまた、どうして道庵がここにとぐろを捲いているということがわかったのだい」「いや、それは、思わぬところで耳に入れたものだから、とりあえずやって来て見ると、君は留守だとのことだが、座敷の模様を見ると、あまり遠出をしたようでもないから、そのうち戻るだろうと、こうして待っていたところだ」「よく待っていてくれた、なんにしても、聖堂以来の思いがけない対面で嬉しい、早速いっぱいやろう」「ははあ、君は相変らず飲むな、僕はあれ以来、禁酒だよ」「そいつは惜しいな、玉の盃(さかずき)、底なきが如しだあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あれ以来おたよりとては...
室生犀星 「玉章」
...しかし、あれ以来ずっと、松吉も逢っていないという...
山本周五郎 「風流太平記」
...あれ以来、パリには罷業が頻発して来た...
横光利一 「旅愁」
...無論次郎もあれ以来...
吉川英治 「江戸三国志」
...市の字を連れて来てやるといやあ、質をおいても、三両や五両は――」ぶらりと、彼はあれ以来の、梅賀の家をのぞいた...
吉川英治 「大岡越前」
...あれ以来足を抜いているイロハ長屋の...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...貴公はあの折の蒋幹か」「そうです」「あれ以来...
吉川英治 「三国志」
...あれ以来は、紅紙(べにがみ)のお牌(ふだ)にお名前をしるし、朝夕お線香を上げて娘と拝んでおりました...
吉川英治 「新・水滸伝」
...一晩泊って語り明かした――あれ以来であったかとおもう...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...泉岳寺の門前はあれ以来雑閙(ざっとう)した...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...折から目明しの万吉も、あれ以来、起居を共にして、昼は外にお千絵様の行方を探し、夜は炉の火をかこんでヒソヒソと、やがて阿波へ入り込む日の密議やうち合せに余念がない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...で――お通は、あれ以来、ずっとここに病(やまい)を養っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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