...あれ以来、娘の茫然(ばうぜん)とした無口にわたしは手古擦(てこず)つてゐる...
犬養健 「愚かな父」
...あれ以来、そっけないと言おうか、あるいはよそよそしい態度を、栄介に対して幸太郎は保持し続けている...
梅崎春生 「狂い凧」
...どういうものかあれ以来急に気が弱くなってしまった...
海野十三 「什器破壊業事件」
...あれ以来はじめての事かも知れない...
太宰治 「津軽」
...弘は、好奇心から見たあの事件の為に、あれ以来、一夜として安眠を得たことがないのです...
浜尾四郎 「正義」
...ところで、あれ以来、私のほうでは何も変っていないんだよ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...しかしあれ以来妻はそんな顔をするのをやめた...
二葉亭四迷 「嫉妬する夫の手記」
...あれ以来はぼんやりとしておしまいになりまして...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「あれ以来おたよりとては...
室生犀星 「玉章」
...彼はあれ以来はずっと繩屋の一室に檻禁(かんきん)され...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...どうしたのでしょう、私は怖ろしいはずのあなたが、あれ以来、何だか忘れ得ないで悩んでおります...
吉川英治 「江戸三国志」
...あれ以来足を抜いているイロハ長屋の...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...「あれ以来、如意輪寺の禅房に身をゆだねた某(それがし)、時に、未熟な技(わざ)をかこつこともござるが、何で貴殿に怨恨(うらみ)を含みましょう...
吉川英治 「剣難女難」
...秀吉はあれ以来、京都へ上って、中央の枢機(すうき)で大いにうごいている...
吉川英治 「新書太閤記」
...一晩泊って語り明かした――あれ以来であったかとおもう...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...譴責は解かれたものの、あれ以来、幕閣(ばっかく)の上司たちにとって、多門伝八郎の存在は、決して快いものでなかった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...――彼は、あれ以来、その不死人とも、藤原純友たちとも、水魚(すいぎょ)の交わりをつづけていた...
吉川英治 「平の将門」
...で――お通は、あれ以来、ずっとここに病(やまい)を養っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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