...怪しい影道夫は、あれ以来、くやしさに煮えかえるような胸をいだいていた...
海野十三 「四次元漂流」
...あれ以来東京の空で佗(わ)びしく暮しているであろう様子が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何分あれ以来稽古(けいこ)を怠っていて...
谷崎潤一郎 「細雪」
...実はあれ以来それらの義理を済ましていないのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...あれ以来見たことはもちろん...
中里介山 「大菩薩峠」
...ところで、あれ以来、私のほうでは何も変っていないんだよ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...あれ以来全く気勢上らず...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...手の膨れもあれ以来平穏です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...あれ以来どんなことがあっても半之助のことは口にせず...
山本周五郎 「初蕾」
...あれ以来寸刻も忘れ得ず先生の油断を狙いました...
山本周五郎 「松林蝙也」
...そしてあれ以来はじめて大川をまぢかに眺めた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...「父の仇、曹操を亡(な)くさぬうちは」と、馬超はあれ以来、蒙古族の部落にふかくかくれて、臥薪嘗胆(がしんしょうたん)、今日の再興に励んできたのであった...
吉川英治 「三国志」
...秀吉はあれ以来、京都へ上って、中央の枢機(すうき)で大いにうごいている...
吉川英治 「新書太閤記」
...折から目明しの万吉も、あれ以来、起居を共にして、昼は外にお千絵様の行方を探し、夜は炉の火をかこんでヒソヒソと、やがて阿波へ入り込む日の密議やうち合せに余念がない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それは何かというと、あれ以来、世阿弥の様子がにわかに生々(いきいき)としてきたことだ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...義経はその後、九郎御曹子と称(よ)ばれて、家族の一員となり、また、幕将の端に随身して、明け暮れ、兄の側近くいるようではあったが、あれ以来、兄とも弟とも、親しく呼び交わしたこともなかった...
吉川英治 「源頼朝」
...「おう、加山か」「羅門先生には、きのう、江戸表の方へ街道をお急ぎとお見うけいたしましたが、どうして、お戻りなされたので」「貴公こそ、どうしてここへ来ているのだ」「はい、拙者は、あれ以来、奉行所へ戻らずに、遂に、郁次郎の足跡を見つけて以来、彼の影を離れたことはありません」「では、郁次郎がこの島へ来ていることを、貴公はもう知っているのか」「そのために、早速、こんな姿に化けているわけです」「ご熱心だな」と、言ったが、羅門には、ちょっと、自分の功をさらわれたような不快さが、軽く走った...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...方丈(ほうじょう)様へお縋(すが)りして、ずっと、あれ以来、身を匿(かくま)っていただいておりましたのです」「アア...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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