...今まであるかなきかに聞えて居た市民三萬の活動の響が...
石川啄木 「葬列」
...あるかなきかのふくみ声ではあったが...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...始めの間はボンヤリしたあるかなきかの疑だったものが...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...あるかなきかの大気の動きにも...
薄田泣菫 「独楽園」
...あるかなきかの明るみが右手の方から格子を通して左手の壁の上に漂うていた...
相馬泰三 「六月」
...その広漠(こうばく)たる空に一点あるかなきかの時鳥(ほととぎす)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...滑らかなあるかなきかの起伏の丘陵地帯が一面に緑で蔽われ...
中谷宇吉郎 「英国の物理学界と物理学者」
...「あツ」紙はあるかなきかの...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ありぢごくの黒い手脚にかんかんと日の照りつける夏の日のまつぴるまあるかなきかの蟲けらの落す涙は草の葉のうへに光りて消えゆけり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
...それは、雨の降るそぼ寒い日に、しまつてあつた着るものを出してひつかけると、薄い汗の香(か)が鼻をかすめると、その、あるかなきかの、自分の汗の匂ひの漂よひと、過ぎさる夏をなつかしむおもひを、わづかの筆に言い尽してあるのを、いみじき言ひかただと、いつでも夏の末になると思ひ出さないことはない...
長谷川時雨 「きもの」
...おえんまさまの舌は一丈まっかな夕陽煮えるような空気の底哀しみのしみこんだ鼻のかたちその向うに発射する一つのきらめき別に生きようとも思わぬたださらさらと邪魔にならぬような生存おぼつかない冥土(めいど)の細道からあるかなきかのけぶり けぶり推察するようなただよいもなく私の青春は朽ちて灰になる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...あるかなきかの心地するかげろふの日記といふべし...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...あるかなきかに揺っていた...
正岡容 「寄席」
...みづからはあるかなきかのあさがほと言ひなす人の忘られぬかな (晶子)斎院は父宮の喪のために職をお辞しになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...秋はてて霧の籬(まがき)にむすぼほれあるかなきかにうつる朝顔秋にふさわしい花をお送りくださいましたことででももの哀れな気持ちになっております...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...あるかなきかの微笑がゆらぐようにみえた...
山本周五郎 「青べか物語」
...そのとき玄一郎の唇にあるかなきかの微笑がうかんだ...
山本周五郎 「いさましい話」
...その主流が支那人であるかなきかを確め...
横光利一 「上海」
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