...ピエロはありたけのパンをすつかり食べてしまふと...
鈴木三重吉 「小犬」
...そして囘龍のありたけの力をもってしても...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
...ありたけの絵をみんな出して見てもらっていろいろの注意を受け...
寺田寅彦 「自画像」
...夏着(なつぎ)冬着ありたけの襤褸(ぼろ)の十二一重(じゅうにひとえ)をだらりと纏(まと)うて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...積(つも)る思いのありたけを語り尽(つく)そうと急(あせ)れば...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...出来ることなら流産(ながれ)てしまえば可(よ)いがと不養生のありたけをして...
永井荷風 「深川の散歩」
...ここにありたけの金子(きんす)をそちたちに遣(つか)わすゆえ見のがせと事を分けて申すに...
中里介山 「大菩薩峠」
...腕のありたけ出たところで...
夏目漱石 「坑夫」
...ただ白い髯(ひげ)をありたけ生(は)やしているから年寄(としより)と云う事だけはわかる...
夏目漱石 「夢十夜」
...ありたけの成句を並べてみる...
萩原朔太郎 「名前の話」
...さる子細あればこそ此処(ここ)の流れに落こんで嘘(うそ)のありたけ串談にその日を送つて...
樋口一葉 「にごりえ」
...そこにあつたありたけの座蒲團をかけて...
水野仙子 「四十餘日」
...したがって私が日本人でありたければありたいほど...
三好十郎 「抵抗のよりどころ」
...真心のありたけを傾けた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ジノーヴィー・ボリースィチの体内に残っていた力のありたけを...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...しかし筋肉を怒張させ表情のありたけを外面に現わしたそれらの相好(そうごう)よりも...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...またありたけの汗を絞り出したあとのいい心持ちなどを経験してみたら...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...「せめて逢った時だけでも優しいことのありたけを言ってほしい」という訴えなどは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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