...人々はあられもなく大急ぎで引き出しの所にかけつけて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あられもなく撲りあいをしたりした...
久生十蘭 「ノア」
...果はあられもなく貴人を気どつて吾々などは頭から眼中にないといふ羽振りを示しました...
牧野信一 「船の中の鼠」
...あられもなくその長襦袢で...
正岡容 「寄席」
...尤も当時でも高座で姫御前のあられもなく赤いお腰をはづして振廻したのは名古屋から集団上京して来た端席(場末の寄席)廻りの源氏節芝居の女芸人たちだつた...
正岡容 「寄席風流」
...浪路は、あせりにあせって、「それとも厭(いや)と、お言いか? 厭とおいやるなら、強(し)いては頼まぬ――広いとて、江戸の中なら、わたし一人でも、よも、尋ねあたらぬことはあるまい」きッと、睨(ね)めすえるようにして、言い放つ、浪路の目つきに触れると、甚太郎は、竦然(しょうぜん)と、肌が、粟立つのをすらおぼえるのだ――――おお、何という恐ろしい、女子の執念であるのだろう? まことや、むかし、清姫は、蛇ともなり、口から炎を吐いて、日高川の荒波を渡ったとか――このお方を、このまま、すげなく突き放したならば、あられもなく、夜ふけの道を、さまよい出すに相違ない――お美しい目に、あの奇(あや)しい光り、これは、尋常のことではない...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...玉虫色の口紅をしていう言葉はあられもなく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...あられもなく柄杓(ひしゃく)へ唇(くち)を寄せていった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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