...今はあぶれものの仲間にはいっている事...
芥川龍之介 「報恩記」
...近在のあぶれ者の仲間だったのです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...村のあぶれ者で、小博奕(こばくち)と強請(ゆすり)を渡世のようにしている照吉と伊太郎というのが、尾久の土手で斬られて、ひどい死に様で――」「フーム」「その晩、地主の清水和助の一人息子、清次郎という粉(しんこ)で拵(こさ)えたような息子が行方知れずになったんで」「ゆうべは狐の嫁入はなかったのか」「あいにく雨が降らなかったせいか何にもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不精者の平次はあぶれてばかり居ることでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あのあぶれ浪人の檜木風之進に頼んで鍵の型を取らせたと知つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...明け方まで中庭で待っているのが例だったからです」あぶれ者が呼びこまれ...
久生十蘭 「無月物語」
...不用心不用心――とかく、つつしむべきは、色の道――南無阿弥陀仏――」と、殊勝げに言って見て、「それにしても、早う呼び生け、また、あぶれ者が、取って返さぬうち、無事に家まで送り届けてやらねばならぬ」近づいて、抱きおこそうとするが、その手つきは、まるで、砕けやすい陶物(すえもの)か、散りかけた花をでも取り上げようとするかのように、あぶなげだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...相手の逆徒、天狗もさるもの、敵の陣立て見てあれば、総大将は水戸町奉行田丸稲之右門直諒をはじめとして文武諸館、神勢館の水戸藩土、浪人、あぶれ者、野士、百姓、町人、ならず者、都合その勢四千人、……オッと喋っちまっちゃ商売にゃならねえ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...あぶれ者に巻かれていたんだ」「ふウん……」「武家の娘だろう...
吉川英治 「江戸三国志」
...あぶれて帰る人たちの執着がわかった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...山手組の無頼者(あぶれもの)達に召使の者がすんでのこと攫(さら)い行かれるところであったが...
吉川英治 「剣難女難」
...六山手組のあぶれ者が...
吉川英治 「剣難女難」
...昌(しょうき)などの賊将が手下のあぶれ者...
吉川英治 「三国志」
...乱に乗じては無頼者(あぶれもの)をあつめて無名の旗をかざし...
吉川英治 「三国志」
...このあぶれ者の大衆のうえに...
吉川英治 「私本太平記」
...野伏強盗あぶれどもの集まりとしていた賊方を...
吉川英治 「私本太平記」
...数千の人員の――しかも度し難いあぶれ者まで交(ま)じっている雑人(ぞうにん)たちの心理から――誠意と汗をひき出す方法は割り出すことができなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...従ってシャビエルを誘引したヤジローが文字通りに「あぶれ者」であったことは...
和辻哲郎 「鎖国」
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