...枯蘆(かれあし)の根にはすすけた泡(あぶく)がかたまって...
芥川龍之介 「日光小品」
...変なあぶくが浮いている...
石川欣一 「可愛い山」
...口からあぶくをふいた...
海野十三 「海底都市」
...血とあぶくがぶくぶく吹きでる...
海野十三 「少年探偵長」
...その拍子にお菊さんは己(じぶん)の呼吸(いき)があぶくのようになって口から出るのを感じた...
田中貢太郎 「萌黄色の茎」
...一年に二百ものあぶく銭がありゃあ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「赤毛連盟」
...あぶく銭を儲(もう)けたがるやからが...
中里介山 「大菩薩峠」
...阿武隈(あぶくま)...
中里介山 「大菩薩峠」
...主人が苦しみもがく断末魔の表情と、頼むにも、訴えるにも、生き物という生き物が一つも見えない苦しまぎれに、眼前に漂うあの泡(あわ)んぶくを見て、「泡(あぶく)、泡、泡、泡んぶく、おお、泡んぶく、敵(かたき)を取ってくりょう、泡んぶく、お前、敵を取ってくりょう、敵をとってくりょう」と絶叫した主人の、血みどろな形相(ぎょうそう)を想い出すと、さすがにいい気持はしないで、一時は面色(かおいろ)を変えてみたが、それが静まると、かえって今度は反抗的に、一種の痛快味をさえも覚ゆるようになりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...先生あぶく銭がはいったのでとても嬉しくてどうしようかと色々考えた末...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...あれは先生確か『猫』の初めの原稿料だったか不意にあぶく銭が這入った時...
中谷宇吉郎 「冬彦夜話」
...現代の社会の軌道からそれたあぶくを顕微鏡で見たようなのが...
平林初之輔 「昭和四年の文壇の概観」
...あれ、お口から血が――もっともっと、指にお力をお入れなさいと申しますに――ほ、ほ、ほ――お二人とも、案外お弱いのねえ――ほ、ほ、ほ――とうとう、身うごきもなさいませんのね――お鼻やお口から、血あぶくが、吹き出すだけで――」と、いいつづけた、黒い影――格闘する二人が、互に、咽喉首をつかみ合って、指先を肉に突ッ込んだまま身をこわばらせてしまったのを、しばしがあいだ、じっと見つめていたが、やがて、もはや呼吸もとまり、断末魔の痙攣(けいれん)もしずまったのを見ると、ぐっと側に寄って、睨(ね)めおろして、「覚えたか! 広海屋、長崎屋――人間の一心は、かならずあとを曳いて、思いを晴らす――松浦屋清左衛門が怨念は、一子雪太郎に乗りうつり、変化自在の術をふるい、今こそここに手を下さず、二人がいのちを断ったのじゃ、わからぬか、この顔が――かくいうこそ、雪太郎が後身、女形雪之丞――見えぬ目を更にみひらき、この顔を見るがよい」サッと、垂らした髪の毛を、うしろにさばいて、まとっていた灰黒い布を脱ぎすてると、見よ、そこに現れたのは、天下一の美男とうたわれる、中村雪之丞にまがいもなかった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...私達があぶくをどんなに出してしゃべっても...
宮本百合子 「幸福の建設」
...口はあぶくを吹きだし...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...喘いであぶくをふきだしながら...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...あぶくをとばして概して辻褄の合わぬ訳もわからぬことをしやべくつていた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...小さな渦(うづ)が黄(き)いろぽい泡(あぶく)を載せた儘すい/\と流れてゐた...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
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