...あの野郎の手が胴巻の結び目をほどきにかかりやがると...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...奉公人がすぐにあの野郎を...
芥川龍之介 「鼠小僧次郎吉」
...あの野郎が二三年以来カチヤと訳があったのを知って居た...
有島武郎 「かんかん虫」
...あの野郎の狼藉(ろうぜき)にまかせてあるが...
泉鏡花 「薄紅梅」
...ね?」「あの野郎がまだ目をさまさないから」と...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...二階ではお角がおかしくもあるし、腹も立って、それでも、あの野郎、神尾の殿様が来るとか来ないとか、頼まれた用事もあってやって来たらしかったが、それをいい出す暇もなく逃げ出してしまった...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの野郎の考えじゃ芸者買は精神的娯楽で...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...あの野郎、人相が悪いから、つまらないところで疑われるんですね」ガラッ八はこう言って、それとなく自分の不明を弁解しております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あの野郎は、無體の横戀慕をして、香爐を盜んだ罪を娘に着せ、玉屋との縁談をこはしにかゝつた、――俺は昔取つた杵柄(きねづか)で、感を働かせて石垣の間から香爐を見付け、その翌る晩玉屋へ返したが、――」「棒をなぜ外へ捨てた」「あんまり癪(しやく)にさはるから、甚助へ少しばかり疑がかゝるやうにしたのさ」平次の明察を、與次郎は裏書きします...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八」「あの野郎を縛って構わないでしょうな」「誰だい」「稲妻小僧の六」「見当が付いたのか」「手代の文三郎ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――近頃あの野郎にも人気が出たから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの野郎は――」「まア宜い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「あの野郎を縛って下さい...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...――隣の浪宅から忍び込んで來て、――その仇討に、松井さんがお鈴のところに忍んで來ると見せかけ、あの野郎に死ぬほど苦勞させる積りでやつた細工(さいく)だ、殺したのが何處が惡い、あの野郎は、私に取つては二十年前の親の仇だ、――それを知つたのは近頃だ、下男の酉松が教へてくれなきや、何んにも知らずに、あの野郎を父親と思つて居たことだらう、二十年の間、親みたいな顏をして、勝手なことを言はせたのが口惜しい」新吉郎は呪(のろ)ひに呪ひ乍ら、大地を蹴つて泣きわめくのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの野郎は馬鹿力だ」フェンウィックが皮肉った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...五郎蔵、T「あの野郎、日に一度はきっと半次の家へ行きますから行ったが最後」「一ぺんにフン縛られます」てな事言って居ます...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...……なんのためにあの野郎のことなんぞ云いだすんだ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...あの野郎」孝之助は強く頭を振った...
山本周五郎 「竹柏記」
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