...あの野郎をひっさらうんだって...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...こないだも、柳井(やない)(と、やはり弟の学友で、子爵の御次男のかたのお名前を挙げて)の兄貴の結婚式に、あんちきしょう、タキシイドなんか着て、なんだってまた、タキシイドなんかを着て来る必要があるんだ、それはまあいいとして、テーブルスピーチの時に、あの野郎、ゴザイマスルという不可思議な言葉をつかったのには、げっとなった...
太宰治 「斜陽」
...俺があの野郎をあんな目に遭わせるから...
中里介山 「大菩薩峠」
...「あの野郎(ナポレオンのことだ)昨日から不貞腐れて何も喰わんのですよ...
中島敦 「環礁」
...「それが解らないんで」「――宗太郎が曲者だったんだ、が騒ぐな、騒ぐと飛ぶぞ、――あの野郎、行きがけの駄賃にお品さんをさらったのだろう」平次は驚き騒ぐ利助、ガラッ八、伊三松を劬(なだ)めて、外へ飛出しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...すると、あの野郎は、お吉と一緒だから、この辺で顔を見せて、声でも立てられるとうるさいと思い、お菊の家の前で待っていた――と、こう言うのだよ」源吉は引取って説明します...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お師匠のお舟さんだって、同じような目に逢ってますよ、あの女には隠し男があるとか、あとでお店(たな)へ行って尻をまくる奴があるかも知れないとか――嫌な千三つ屋じゃありませんか、あの野郎こそ、嘘つきで、胡麻擂(ごます)りで、手癖が悪くて、瘡(かさ)っかきで、――伊丹屋の若旦那の古いアラを捜していたぶってばかりいるそうで――」「まア、兄さん」お袖はまた止めました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの野郎だッ」平次とガラッ八は小柳町に飛びました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの野郎じゃありませんか」「判らないよ」「千住へ行って聴いてみましょうか...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...もとはあの野郎がやくざ仲間に入つて手弄(てなぐさ)みなどをしたから起つたことなのに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...中年者の男がちよい/\來るさうですよ」「そんな事だらうよ」「早くあの野郎を縛つて下さいよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの野郎、越前屋から行った急使を一日早く発たせて、その後から金に糸目をつけずに飛ばし、七日目か八日目に江戸へ着き、案内知った自分の家へ紛(まぎ)れ込んで様子を捜(さぐ)った上、金次の煙草入を持出して、清六の風呂へ出るのを待ち受け、途中から柳原河岸へおびき出して殺したんだ」「首を斬ったのは?」「煙草入が証拠にならなかったら、浪人の岩根源左衛門に疑いを向けるつもりだったのさ」「ヘエー」「それから松五郎を狙(ねら)って殺し、遺言状をうやむやにして越前屋を乗っ取るつもりだったんだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「その上あの野郎は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの野郎は――」「まア宜い...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あの野郎がどうも女のような気がして仕様が無いんで――親分に叱られそうですが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの野郎を取っちめる手があるんだ――と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...大野木 みんなが目をつけてるあの野郎はね...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...どうもあの野郎は気に入らねえ...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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