...あれはおれの後釜(あとがま)にすわっただれか別な男だ...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「リップ・ヴァン・ウィンクル」
...その顔には涙のあとがまざまざと残っていた...
有島武郎 「或る女」
...あとがまには木村をいつでもなおせるように食い残しをしとるんだな」「そんな事はありませんわ」「ではなんで手紙のやり取りなどしおるんだ」「お金がほしいからなの」葉子は平気な顔をしてまた話をあとに戻(もど)した...
有島武郎 「或る女」
...そして竹箆返(しっぺがえ)しに跡釜(あとがま)が出来たから小屋を立退けと逼(せま)った...
有島武郎 「カインの末裔」
...燃えるような野心をもって上役(うわやく)の後釜(あとがま)を覘(ねら)み...
海野十三 「振動魔」
...巧みに吉治の後釜(あとがま)に入りこんだ...
海野十三 「東京要塞」
...頬には涙のあとがまざまざと残っていた...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...別にあとがまばらになったようにも見えないとこういう句意であってこれを俗語に訳してみると「……跡が格別まばらでもありませんでした」というくらいの意味であります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...今度自分が後釜(あとがま)へ直つてみると...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...今度はお豊を後釜(あとがま)に据える計略(ふんべつ)が肝心だ」「でもあんた...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...「どうもむつかしくて」と言いながら見せられた画にも苦心のあとがまざまざと出ていた...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...兵二郎の後釜(あとがま)はこの私でなきゃア――と言うんで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...筋金(すじがね)が入ることになる」「親方を退(の)けた後釜(あとがま)に坐ることなど...
火野葦平 「花と龍」
...その大夕立のあとがまたさっぱり涼しくならず...
正岡容 「寄席」
...九月四日〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕九月三日夜(土) 第四十八信嵐のあとがまだすっかり直らなくて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...西村さんとしてはあとがまた厄介なもので...
森下雨村 「五階の窓」
...そうして私の後釜(あとがま)には...
夢野久作 「暗黒公使」
...その後釜(あとがま)に座って...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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