...あたふたと細長いなま白い顔を突き出したが...
有島武郎 「或る女」
...周章(あたふた)下駄を突懸けて...
石川啄木 「病院の窓」
...あたふたと船橋に上ってきました...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...シモンはいないか」そこへあたふたと...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...あたふたと飛び出して来た...
薄田泣菫 「茶話」
...あたふたと東京から逃げ戻ってきて...
徳永直 「冬枯れ」
...あたふたと廊下傳ひに駈けて行きましたが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...」背中あわせの、芸人の男女に、田舎女の亭主らしいのが、大きい声で呶鳴(どな)ると、ボンヤリと当もなく窓を見ていた男と女は、あたふたと、恐れ入りながら、バスケットを降ろして蓋をあけている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...四人はあたふたと庭の壕(ごう)へ身を潜めた...
原民喜 「壊滅の序曲」
...それを出しておくれ!」老婆はあたふたとして出て行くと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あたふたと奥へはいってゆくところだった...
平林初之輔 「秘密」
...ヴィラがあたふた出て行った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...あたふたと身につけると...
吉川英治 「江戸三国志」
...蒼くなってあたふた退出した...
吉川英治 「三国志」
...右には、生駒、金剛山のはるかまでが霞の中に」「右馬介は、今、山を見ている」「確かに」「だが、あたふたと、忙裏に暮れている日には、山と人間の位置は逆になる」「すると、どうなります」「山が人間を眺めていよう」「つまり、閑(しずか)であれば、人が山を見...
吉川英治 「私本太平記」
...仁吉はあたふたと急ぎ出した...
吉川英治 「治郎吉格子」
...そして、あたふたと、法明院の外廊へ出て行くので、三郎兵衛もあわてて後を追いながら、殿々、どこへ渡らせらるるかと問うと、信雄は振り向いて声をひそめ、馬を馬をと頻りに急ぐ...
吉川英治 「新書太閤記」
...あたふたと急ぎ出し...
吉川英治 「宮本武蔵」
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