...警官はまたあたふたと自転車に打ち乗って...
海野十三 「深夜の市長」
...あたふたと母屋の電話室へ駈け込んで行った...
大阪圭吉 「三狂人」
...あたふたと店にはいって来て...
太宰治 「酒の追憶」
...南はあたふたと起って迎えた...
田中貢太郎 「竇氏」
...二度迄もあたふたと平右衞門町の醫者に藥取りに行つたのを見たと言ふ者があります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あたふたと裏口から飛出しました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...あたふたとドアを開けに行った...
久生十蘭 「肌色の月」
...お京はん、まだ、逢うたことあらへんのやろ? 玉井金五郎はん、いっぺん、逢うといて」「いえ、あたし、男なんかよりも芸の方が大事ですから」笑いにごまかして、あたふたと、台所口から、部屋を出た...
火野葦平 「花と龍」
...それを出しておくれ!」老婆はあたふたとして出て行くと...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あたふたと我等の主人公の方へ挨拶をしに駈け寄った...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...だが横着者は、あたふたもせず、何事にも寸法をとって、物事の間(ま)をこころえている風だ...
吉川英治 「私本太平記」
...今、蔵から探し出す時、蝋燭(ろうそく)をつけたもんだから、加藤様やほかのお侍たちも、眼をさまして、一廻り屋敷のまわりを見廻ろうかといってたから」追い立てると、天蔵は、急にあたふた、門の外へ飛び出して、「小僧、いつでも御厨(みくりや)へたずねて来いよ...
吉川英治 「新書太閤記」
...金蓮はあたふた鏡台へ向った...
吉川英治 「新・水滸伝」
...……どれ、今日は忙(せわ)しゅうござれば』老人も源吾の言葉の裏を読んで、あたふたと、引取った...
吉川英治 「※[#「さんずい+鼾のへん」、第4水準2-79-37]かみ浪人」
...あたふたと帰って来ると...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そこへ行くなら、案内してあげましょうぜ」「やあ、かたじけない、……では又八氏(うじ)、おさらば」源八は、あたふた、仲間(ちゅうげん)たちに尾(つ)いて行ってしまう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ために豫定してゐた友人訪問をも燒跡見物をもすることもなくしてあたふたと歸つて來たのであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
...そして私共二人は飯も喰うことなしにあたふたと袴を著けてその舟まで駆け著けた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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