...打ち見やりつつ茫然(ぼうぜん)と...
巌谷小波 「こがね丸」
...打ち見たところ、この辺で投げ棄てられた空箱でもないらしい...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...打ち見たところ葬式に使う寝棺二つ分ぐらいの容積がある...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...たとえMISS・キャゼリンはお嫌いでも一時の手段としてでもここをなんとか切り抜けてもう少し御滞在になるわけにはゆきませんか?」と無駄とは知りつつも私は力を籠(こ)めて太子の顔を打ち見守った...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...打ち見るところ、何もかも私の目論見どおり希望どおりに運んでいるらしい...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...』斯くてゲーレスは窓打ち見上げて莞爾と笑めば(with a bright smile)...
テニソン Tennyson 菅野徳助、奈倉次郎訳 「アーサー王物語」
...打ち見にはやや陰気に思わるれど...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...彼女は打ち見たところ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...その祝福のありさまを残らず打ち見やりながら...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...打ち見たところ二十七八...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...打ち見たところ一滴の血も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...打ち見たところ榮養も良く...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...八五郎の顔を斜下からなめ上げるように打ち見やるお栄です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...打ち見たところは千種十次郎や足の勇と大した違いの無い若さで...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...打ち見たる処、両女とも、十人並(なみ)の容貌を具えたるにいとど可憫(ふびん)の加わりて、如何(いか)で無事出獄の日には、わが郷里の家に養い取りて、一身(いっしん)の方向を授けやらばやと、両女を左右に置きて、同じく読書習字を教え、露些(つゆいささ)かも偏頗(へんぱ)なく扱いやりしに、両女もいつか妾に懐(なつ)きて、互いに競うて妾を劬(いた)わり、あるいは肩を揉(も)み脚を按(さす)り、あるいは妾の嗜(たしな)む物をば、己(おの)れの欲を節して妾に侑(すす)むるなど、いじらしきほどの親切に、かかる美徳を備えながら、何故(なにゆえ)盗みの罪は犯したりしぞと、いとど深き哀れを催し、彼らにしてもし妾より先に自由の身とならば、妾の出獄を当署にて聞き合せ、必ず迎えに来るようにと言い含め置きたりしも、両女は終(つい)に来らざりき...
福田英子 「妾の半生涯」
...打ち見たところ稍はにかみ屋であるらしいが母校の為に団員に加はらないかと進めるのであつた...
牧野信一 「大音寺君!」
...しかし打ち見やるところ...
吉川英治 「私本太平記」
...打ち見たところどの方角からにせよ直径二三丁の距離を穿っているのでなくては浪は導けない地勢にある...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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