...この時われは友の方を打ち見たるに...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...暫くは呆然(ぼうぜん)と打ち見護っていたほどであった...
海野十三 「三人の双生児」
...打ち見たところお医師(いしゃ)か...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...半分ばくち打ち見たような人間ばかり……こういう人を相手に約束をして...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...人々上座の方を打ち見やれば...
高山樗牛 「瀧口入道」
...打ち見やる眼元(めもと)に無限の情(なさけ)を含み...
高山樗牛 「瀧口入道」
...横笛四邊(あたり)を打ち見やれば...
高山樗牛 「瀧口入道」
...しばらくは呆気に奪(と)られたまま言葉もなくただまじまじと探偵の顔を打ち見守っているばかりであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...私と少年との問答を打ち見守っていたが...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...たとえMISS・キャゼリンはお嫌いでも一時の手段としてでもここをなんとか切り抜けてもう少し御滞在になるわけにはゆきませんか?」と無駄とは知りつつも私は力を籠(こ)めて太子の顔を打ち見守った...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...――打ち見たところまるでわが身の堕落にでも対するような態度をとっていて...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「犬を連れた奥さん」
...打ち見た処家が潰れる程に壮観ではないから...
戸坂潤 「社会時評」
...今日のブルジョア社会において打ち見た処...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...打ち見たところ、子供たちは先刻よりも一そうリーザを扱い兼ねているらしかった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...打ち見たる処、両女とも、十人並(なみ)の容貌を具えたるにいとど可憫(ふびん)の加わりて、如何(いか)で無事出獄の日には、わが郷里の家に養い取りて、一身(いっしん)の方向を授けやらばやと、両女を左右に置きて、同じく読書習字を教え、露些(つゆいささ)かも偏頗(へんぱ)なく扱いやりしに、両女もいつか妾に懐(なつ)きて、互いに競うて妾を劬(いた)わり、あるいは肩を揉(も)み脚を按(さす)り、あるいは妾の嗜(たしな)む物をば、己(おの)れの欲を節して妾に侑(すす)むるなど、いじらしきほどの親切に、かかる美徳を備えながら、何故(なにゆえ)盗みの罪は犯したりしぞと、いとど深き哀れを催し、彼らにしてもし妾より先に自由の身とならば、妾の出獄を当署にて聞き合せ、必ず迎えに来るようにと言い含め置きたりしも、両女は終(つい)に来らざりき...
福田英子 「妾の半生涯」
...莞然談笑されてゐる先生のお姿を打ち見たことがある...
正岡容 「浅草燈籠」
...しかし打ち見やるところ...
吉川英治 「私本太平記」
...然し、打ち見た所、平常の腰の刀(もの)とは、確かに違って、寸長な見るからに反打(そりうち)の烈しい刀を横たえては居た...
吉川英治 「夏虫行燈」
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