...いまだ家庭のあたたかみというものを知らず...
海野十三 「少年探偵長」
...わずかに冷めて行くほの温味(あたたかみ)しか感じられなかった...
海野十三 「白蛇の死」
...どうやら温味(あたたかみ)も戻って来るようだ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「黒猫十三」
...そのひょうしに手の端(さき)に生物の温味(あたたかみ)を感じたので...
田中貢太郎 「狼の怪」
...みなせがわの川上をみわたしたけしきのさまがあわれにもまたあたたかみのあるなつかしいもののようにうかんでくる...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...片鱗(へんりん)を溌墨淋漓(はつぼくりんり)の間(あいだ)に点じて、竜(きゅうりょう)の怪(かい)を、楮毫(ちょごう)のほかに想像せしむるがごとく、芸術的に観じて申し分のない、空気と、あたたかみと、冥(めいばく)なる調子とを具(そな)えている...
夏目漱石 「草枕」
...あたたかみのある淡黄(たんこう)に...
夏目漱石 「草枕」
...ようやく外套(がいとう)の下に体(たい)の温味(あたたかみ)を感じ出したぐらいです...
夏目漱石 「こころ」
...来た時よりは幾分か空気に暖味(あたたかみ)が出来た...
夏目漱石 「それから」
...あの人の手や身體の丸々としたあたたかみは非常に女性的の肉感をあたへます...
萩原朔太郎 「ふつくりとした人柄」
...私は彼女の呼気(いき)の温味(あたたかみ)を頬に感じました...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...愛情の優しいあたたかみを知らぬ私の...
北條民雄 「孤独のことなど」
...或るあたたかみがあり...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...雪割草の花咲こうとするあたたかみを...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ひそかなあたたかみが感じられた...
山本周五郎 「さぶ」
...千夜のおもざしもおぼろげであるし、肌の香も、その触感も、あたたかみも、そうしてふるえおののく喘(あえ)ぎや、絶えいりそうな囁きや、忍び泣く声までも、すべてほの暗いおぼろに包まれていた...
山本周五郎 「屏風はたたまれた」
...何か洋々たる未来と暖味(あたたかみ)を抱かしめる...
吉川英治 「上杉謙信」
...人情のあたたかみには飢えていた...
吉川英治 「江戸三国志」
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