...腐菌(ふきん)の燐光(りんこう)を思わせる凄惨(せいさん)な蠱惑力(こわくりょく)をわずかな力として葉子はどこまでも倉地をとりこにしようとあせりにあせった...
有島武郎 「或る女」
...蟹江は一種のあせりを感じていました...
梅崎春生 「Sの背中」
...いくらおあせりになっても一ぴきもおつれになれないばかりか...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...気をあせりながら柵壁へ近づいて行った...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...絶望に似たあせりが早くも俺をおそったが...
高見順 「いやな感じ」
...あせり気味になって...
太宰治 「帰去来」
...今度は彼があせり出した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...汽車を急がせようとあせりながら...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...あの老先生は救護班詰所へ出勤せねばならぬとあせりつつ火にまかれたにちがいない……港から吹きつけていた風がぱったりやんだ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...いろいろな細工を始めたのだ」「――」「皆んな相手があせり始めた証拠だ」「で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あせり出したと見えますね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...そうして大川があせりにあせってもがきはじめた頃...
浜尾四郎 「黄昏の告白」
...さういふ気持で随分あせりもしたし...
北條民雄 「道化芝居」
...それを破壊して了ふ事を望む程にあせり出した...
松永延造 「アリア人の孤独」
......
宮沢賢治 「疾中」
...――何となく彼の焦躁(あせり)が感ぜられるからである...
吉川英治 「新書太閤記」
...陳達(ちんたつ)は少しあせり気味だぜ」「三人の中では一番の年上だ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...平家は、あせりだした...
吉川英治 「親鸞」
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