...太都夫は只小室が如何な處置に出づるかを知らんとあせりても...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...魔術で見とほしをつけさせようとあせりましたが...
鈴木三重吉 「ダマスカスの賢者」
...私はこころのあせりをはじめてゐたのである...
太宰治 「思ひ出」
...汽車を急がせようとあせりながら...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...七人の異体の知れぬ豪傑のうちの一人があせり出し...
中里介山 「大菩薩峠」
...だが、尾州家の役人なるがゆえに、尻ごみをして出ないという、この土地の医者のぞろっぺいを憐れむにつけ、わが道庵先生――米友の眼と、心とを以てすれば、天下に一つあって、二つはない名医の道庵先生ともあるべきものを、現に自分が同行の光栄を有し、自分が頼みさえすれば、いや、頼まなくともこういう際には、十二分に出しゃばるべき先生を、ついした自分の粗忽(そこつ)から置き忘れてしまった腑甲斐(ふがい)なさを自ら憐れみ、悼(いた)み、くやみ、あせり、憤るの情に堪えません...
中里介山 「大菩薩峠」
...大急ぎで訊いて來い」平次は日頃にも似ぬあせりやうです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いろいろな細工を始めたのだ」「――」「皆んな相手があせり始めた証拠だ」「で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...目くじり聴き耳立てて目ぼしい聞込みでもとあせり廻るが...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...やり方が少しあせり過ぎはしないか...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...にわかにあせりだしたことに見られて恥ずかしいと思い...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...脇の下に冷たいあせりが汗になつてにじんでまゐります...
室生犀星 「末野女」
...あせりて逃れんとするがために...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ひたすらその圧迫から免れようとばかりあせり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そうではございませんでしょうか」悠二郎は思うことを的確に云えないもどかしさにあせり...
山本周五郎 「桑の木物語」
...あせりなのだ...
吉川英治 「黒田如水」
...幕府統一を固めておかねばとするあせりがつのッた...
吉川英治 「私本太平記」
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