...読者の好奇心をあおるためとに...
有島武郎 「或る女」
...降り下り降りあおる雪の向こうに隠見する山内(さんない)の木立(こだ)ちの姿を嘆賞した...
有島武郎 「或る女」
...コップ酒をあおると回復が早いことを...
梅崎春生 「幻化」
...洋盃の酒をぐっと一息にあおる...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...いまだ時々来てはあおる千々岩を満足さすほどの果断なる処置をばなさざるなり...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...これ以上何か云う事は一層この男の気狂いじみた振舞をあおるばかりだと考えたからである...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...内ポケットから銀のウィスキイの小ビンを出してラッパのみにあおる)村子 見えやしないでしょう...
三好十郎 「胎内」
...求婚者の競争をあおるなどとはひどい方」と女王(にょおう)は言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...書物の研究に対して我々をあおるあの淫欲を抑制することであり...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ごくごくと音をたてて大杯の酒をあおる若い武士の...
山川方夫 「菊」
...泡盛屋を見つけて泡盛をあおる...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...「ああおる、家におります、妹は独身でおります」話の腰を折られて相手は妙な顔をした、「なにか用事があるなら呼ばせましょう」「はあ実は」又四郎は眼を俯(ふ)せた、「――実はですね、あの方と、お二人きりで、その、折入ったお話が、その、したいのですが」「ああいいとも、いいですとも、折入った話結構です、すぐ呼ばせましょう」こういいながら加久平は立った、「――あれも困った女で、困ったといってはなんだが、あれは哀れな、可哀そうな女なんで、まだ独身なんで、ひとつ、……いやすぐ此処へ来させます」加久平が出てゆくと、又四郎はかなり傷心の態(てい)でじっと俯向(うつむ)いた、「まだ独身なんで――」といった、あれから十年ちかく、約束を守っておかねは独身をとおしていて呉れた、あのときの約束を守っておかねは独身をとおしていて呉れた、あのときの約束を守って、この又四郎のために...
山本周五郎 「百足ちがい」
...また大きな猟奇心(りょうきしん)をあおるものが現れました...
吉川英治 「江戸三国志」
...逃げようとすればするほど牛頭馬頭(ごずめず)の苛酷をあおるばかりです...
吉川英治 「江戸三国志」
...人殺しの快味をあおるのではありますまいか...
吉川英治 「江戸三国志」
...乱暴者の気をあおるに持ってこいの伴奏だ...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...裾(すそ)をあおる炎(ほのお)の熱風(ねっぷう)よりは...
吉川英治 「神州天馬侠」
...皆彼らの歓喜をあおるとともに...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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