...降り下り降りあおる雪の向こうに隠見する山内(さんない)の木立(こだ)ちの姿を嘆賞した...
有島武郎 「或る女」
...これは非常に新しい考なので彼等は一般民衆の興味をあおるのに...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...露地の奥から火勢があおる焦げくさい強い熱気がフーッと流れてきた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...連句俳体詩などがその創作熱をあおる口火となって...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...切るような凩(こがらし)が外套の裾をあおる...
寺田寅彦 「まじょりか皿」
...ちょっとあおると五臓六腑が焼け爛(ただ)れて...
中里介山 「大菩薩峠」
...アブサントをあおるという狼藉ぶりになった...
久生十蘭 「予言」
...仲仕たちの闘志をあおることに努力していた...
火野葦平 「花と龍」
...ポンプをあおる決死の隊員の掛声が響いて来た...
牧野信一 「ゼーロン」
...内ポケットから銀のウィスキイの小ビンを出してラッパのみにあおる)村子 見えやしないでしょう...
三好十郎 「胎内」
...求婚者の競争をあおるなどとはひどい方」と女王(にょおう)は言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...沖縄舞踊を見ながら泡盛をあおる「おもろ」の客も...
山之口貘 「池袋の店」
...「ああおる、家におります、妹は独身でおります」話の腰を折られて相手は妙な顔をした、「なにか用事があるなら呼ばせましょう」「はあ実は」又四郎は眼を俯(ふ)せた、「――実はですね、あの方と、お二人きりで、その、折入ったお話が、その、したいのですが」「ああいいとも、いいですとも、折入った話結構です、すぐ呼ばせましょう」こういいながら加久平は立った、「――あれも困った女で、困ったといってはなんだが、あれは哀れな、可哀そうな女なんで、まだ独身なんで、ひとつ、……いやすぐ此処へ来させます」加久平が出てゆくと、又四郎はかなり傷心の態(てい)でじっと俯向(うつむ)いた、「まだ独身なんで――」といった、あれから十年ちかく、約束を守っておかねは独身をとおしていて呉れた、あのときの約束を守っておかねは独身をとおしていて呉れた、あのときの約束を守って、この又四郎のために...
山本周五郎 「百足ちがい」
...逃げようとすればするほど牛頭馬頭(ごずめず)の苛酷をあおるばかりです...
吉川英治 「江戸三国志」
...重左が落ちてしまうと、さあ後は大変、氷川下の屋敷は野武士の陣屋のようになる、まだ時刻はすこし早いというので、酒をあおる、太刀(どす)を抜いて小手調べに柱を斬る、覆面や黒装束にとりかかる、まるで夜討ち仕掛けの有様、血に餓えている狼の舌舐(したな)めずりを見るようであった...
吉川英治 「剣難女難」
...親鸞といい――その四郎の生信房といい――共に弁円の心頭をあおる毒炎の中(うち)の仇敵(あだがたき)である...
吉川英治 「親鸞」
...私は強烈なアブサン酒をあおると...
吉行エイスケ 「スポールティフな娼婦」
...怒りは怒りをあおる...
和辻哲郎 「転向」
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