...降り下り降りあおる雪の向こうに隠見する山内(さんない)の木立(こだ)ちの姿を嘆賞した...
有島武郎 「或る女」
...コップ酒をあおると回復が早いことを...
梅崎春生 「幻化」
...暗い床の間の掛物をあおる...
寺田寅彦 「嵐」
...一旦酒をあおると欝憤(うっぷん)ばらしに狂態(きょうたい)百出当る可からざるものがあった...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...冷酒(ひやざけ)を五勺(しゃく)ほどきゅうとあおる...
林芙美子 「晩菊」
...アブサントをあおるという狼藉ぶりになった...
久生十蘭 「予言」
...仲仕たちの闘志をあおることに努力していた...
火野葦平 「花と龍」
...さらに人心をあおる文句が書いてあり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...求婚者の競争をあおるなどとはひどい方」と女王(にょおう)は言う...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そしてあおるために碧玉や黄玉の器の中に毒を貯えたりして...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...泡盛屋を見つけて泡盛をあおる...
山之口貘 「ダルマ船日記」
...また大きな猟奇心(りょうきしん)をあおるものが現れました...
吉川英治 「江戸三国志」
...逃げようとすればするほど牛頭馬頭(ごずめず)の苛酷をあおるばかりです...
吉川英治 「江戸三国志」
...人殺しの快味をあおるのではありますまいか...
吉川英治 「江戸三国志」
...重左が落ちてしまうと、さあ後は大変、氷川下の屋敷は野武士の陣屋のようになる、まだ時刻はすこし早いというので、酒をあおる、太刀(どす)を抜いて小手調べに柱を斬る、覆面や黒装束にとりかかる、まるで夜討ち仕掛けの有様、血に餓えている狼の舌舐(したな)めずりを見るようであった...
吉川英治 「剣難女難」
...親鸞といい――その四郎の生信房といい――共に弁円の心頭をあおる毒炎の中(うち)の仇敵(あだがたき)である...
吉川英治 「親鸞」
...またそれをあおる癆咳(ろうがい)という美しき病の鬱血(うっけつ)が...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...皆彼らの歓喜をあおるとともに...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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