...空一面に鳴り渡る車の火とそれに魂を奪はれて...
芥川龍之介 「地獄變」
......
伊藤左千夫 「紅葉」
...冬木のすがれの下の木のようにさやさやと鳴り渡る...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...りん/\と鳴り渡るに...
高山樗牛 「瀧口入道」
...何処かの寺院からヴェープルの鐘が鳴り渡るころ...
辰野隆 「雨の日」
...親骨を皆まぜて仕舞ったので立て付けの終ったのは日没の太鼓が鳴り渡る頃であった...
富田木歩 「小さな旅」
...恐ろしい響きのかすかに鳴り渡るのが足下に聞こえていた時代...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...鐘楼から寄せ鐘がやさしく清く鳴り渡る...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...「お山の太鼓が鳴り渡る朝までに解け」と脅(おど)したあの謎(なぞ)の...
中里介山 「大菩薩峠」
...いつでも余の耳の底に卒然と鳴り渡る...
夏目漱石 「思い出す事など」
...じゃららんが鳴り渡る間を...
夏目漱石 「坑夫」
...カサカサと鳴り渡るのも季節の風情でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...火蓋を切つて朝霧の中に殷々と鳴り渡る...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...鼾きの音までが鳴り渡るといふ飛んでもないサウンド・ボツクス――ひとりで眠つてゐるのに...
牧野信一 「沼辺より」
...今や朝(あした)の霞を衝いて津々浦々までも鳴り渡るあの明朗至極なるラヂオ體操を見ても明らかの如く...
牧野信一 「文學的自叙傳」
...砕くるばかりに鳴り渡る...
夢野久作 「白髪小僧」
...――靜かな春の夜に鳴り渡る鐘の特殊な響きをもつて...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ジャズが夜中のサイレンのように鳴り渡る都会人の愛情を占領してしまった...
吉行エイスケ 「新種族ノラ」
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