...葉子の心はただ渾沌(こんとん)と暗く固まった物のまわりを飽きる事もなく幾度も幾度も左から右に...
有島武郎 「或る女」
...その要求が成就されるまでは絶対に飽きることがない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...しかしどんなに思い合った仲だっていつかは飽きる時が来る...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それに飽きると波乗の稽古(けいこ)をしたり...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...歩き飽きると、私は書斎の窓際に立ちどまって外を眺める...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...一年や二年で見飽きるようなものであったら...
寺田寅彦 「田園雑感」
...」「いや実際東京に飽きるということはありませんよ...
豊島与志雄 「過渡人」
...どこまで行ってこの奥方ごっこに飽きるのだか...
中里介山 「大菩薩峠」
...飽きるということはありますまい」「ですけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...ヘレン・バーンズに飽きることは決してなかつたし...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私は彼女が飽きる迄お話しをして聞かせた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...酒に飽きると、稀に彼は母の家をのぞいたが、一時間も居ずに引き返した...
牧野信一 「父の百ヶ日前後」
...「その使いかたが単調無味であるように製作されてあるほど精密に加工されるから」「飽きることを知らない農村の女子が農業精神で」その精密加工に成功し「農村の子女が最も適当しているというのである」としているのである...
宮本百合子 「新しい婦人の職場と任務」
...または彼女を憎みさげすむことに飽きるように...
山本周五郎 「青べか物語」
...従来は彼が飽きるまえに...
山本周五郎 「季節のない街」
...お互いに飽きるほうがもっと早いかもしれない...
山本周五郎 「山彦乙女」
...舌が脂(やに)に飽きるほど待つ間もありませんでした...
吉川英治 「江戸三国志」
...お米の駄々とわがままとに飽きる日を待つよりほかはないと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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