...甲板(かんぱん)に飛び散る真紅な鮮血と肉塊(にくかい)...
海野十三 「空襲葬送曲」
...露の句を巻頭にして爰に収録されてゐる句は悉く飛び散る露の真玉の相触れて鳴るやうな句許りである...
高浜虚子 「川端茅舎句集」
...顔にふるる芭蕉(ばしょう)涼しや籐(とう)の寝椅子(ねいす)涼しさや蚊帳(かや)の中より和歌(わか)の浦(うら)水盤に雲呼ぶ石の影涼し夕立や蟹(かに)這(は)い上る簀(す)の子(こ)縁(えん)したたりは歯朶(しだ)に飛び散る清水(しみず)かな満潮や涼んでおれば月が出る日本固有の涼しさを十七字に結晶させたものである...
寺田寅彦 「涼味数題」
...然し皮の一片でも遠くに飛び散ると...
豊島与志雄 「公孫樹」
...硝子の壊れて飛び散る激しい物音が家の中に響き渡った...
豊島与志雄 「蘇生」
...紛々として飛び散る...
永井荷風 「狐」
...微粒子として飛び散るものは原子構成粒子たる中性子...
永井隆 「長崎の鐘」
...ビシビシ飛び散る...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...飛び散る碧血(へきけつ)を浴びて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...飛び散る血を除けた手際は鮮(あざ)やかだね」「――」「八日前に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...激しい飛び散るような...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...それぞれあちらこちらに飛び散るやうに見えたり...
牧野信一 「鱗雲」
...ガラスの飛び散るのやいろいろは厚い夜具をかぶればいくらかいいし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...飛び散る沙魚と兎とともに...
横光利一 「日輪」
...他の重要なことなどすべて空しく飛び散るから不思議だ...
横光利一 「夜の靴」
...飛び散る泡にも滅(め)げず云った...
横光利一 「旅愁」
...微粒子の飛び散るように眼映ゆかった...
横光利一 「旅愁」
...その中には雨水が溜っていて踏むたびに飛び散る...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
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