...彼女の隠然たる才能を発見した...
...彼らは会話の中で隠然とした緊張感を感じた...
...その問題は隠然たるリスクを抱えている...
...彼女の感情は隠然たる不満を含んでいる...
...彼の言葉の裏に隠然たる意図があるように感じた...
...当のおせきにも分っていた――がいわゆる仇(あだ)をなして隠然公然...
犬田卯 「米」
...隠然副監督として仰がれていた...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...事実は隠然たる首謀であった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...中策は隠然(いんぜん)自国を富強にしていつにても幕府の倚頼(いらい)となる如く心懸(こころが)くべし〔獄中の意見何んぞ実着なる〕...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...其の政府の政策に隠然たる影響を与ふるものあるを知るときは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...其の資望は尚ほ隠然として...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...浮世絵は隠然として政府の迫害に屈服せざりし平民の意気を示しその凱歌(がいか)を奏するものならずや...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...天明寛政の平民美術についてはその勢力隠然狂歌にありしといふことを得べし...
永井荷風 「江戸芸術論」
...都新聞の読者の中にも相当具眼者もあれば有識者もあって隠然の間に大いなる人気を占めていたのである...
中里介山 「生前身後の事」
...然し彼の行動には我輩に対する見せつけとか当てつけとかいうものが絶えず隠然として流れていた...
中里介山 「生前身後の事」
...これなる人物は新興コンツェルンの花形として近代日本の産業界に隠然たる大勢力をなす林興業の親玉(キャプテン)...
久生十蘭 「魔都」
...隠然(いんぜん)として権力を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...満山隠然として喬木(きょうぼく)茂り...
宮崎湖処子 「空屋」
...隠然として尊王精神の培養につとめるかの観があった...
山本周五郎 「新潮記」
...倒れんとする室町幕府を隠然扶(たす)けるに大いな力をかしていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...その間にはまた、越前守をうたがい、彼の個人攻撃や誹謗(ひぼう)が、公然と、あるいは隠然と、さまざまにいわれた...
吉川英治 「大岡越前」
...隠然たる浮浪勢力と見られるに至って来た...
吉川英治 「私本太平記」
...で、新政府の樹立後は、准大臣として、隠然、元勲の重きをなしていたのである...
吉川英治 「私本太平記」
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