...殆んど際限なく流れ落つるのかと思はれた...
石川啄木 「郁雨に與ふ」
...若い文人が好い加減に創作した出鱈目(でたらめ)の造語の詮索(せんさく)から句読(くとう)の末までを一々精究して際限なく気にしていた...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...斯くして初め其の種属をして他に優らしめた性質は何所までも際限なく進まねば止まぬ有様となるが...
丘浅次郎 「人類の将来」
...行く末のことなども際限なく思い続け...
高神覚昇 「般若心経講義」
...脚下を覗いてもやはり際限なく薄みどり色のほの明るさが続いてゐるばかりで...
太宰治 「お伽草紙」
...こういう例はあげれば際限なくあげられるかもしれないが...
寺田寅彦 「映画時代」
...際限なくつづく瓦屋根の間々(あいだあいだ)に...
永井荷風 「日和下駄」
...さながら晩秋に異らぬ烈しい夕栄(ゆうばえ)の空の下、一望際限なく、唯黄いろく枯れ果てた草と蘆とのひろがりを眺めていると、何か知ら異様なる感覚の刺※を受け、一歩一歩夜の進み来るにもかかわらず、堤の上を歩みつづけた...
永井荷風 「放水路」
...彼の際限なく続く話は過去のある時期に彼が臨時の召喚状を裁判所から受け取った事件のことに及んでいた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...想像していたことよりももっと刻薄な欠乏が際限なくつらなっているような気がして来た...
本庄陸男 「石狩川」
...かくしてこれは際限なく続くであろう...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...東へ西へと際限なく流れ行くであらうが…………しかし今はしばし...
溝口健二 「日本趣味映画」
...西洋料理は上等にすると際限がありません」第二百四十七 二十銭料理上等にも際限なく...
村井弦斎 「食道楽」
...だれもだれも際限なく泣いた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...場末がどこまでも際限なく延びる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...こりゃ際限なく見所のある村だな...
柳宗悦 「台湾の民藝について」
...霧は茫々と際限なく続いた雪原と同じだ...
横光利一 「欧洲紀行」
...際限なくなだれ入って来る軍隊に戸を開けたばかりの民家はただ目を瞠(みは)りあっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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