...が、限りなく深い、限りなく蒼い空は、まるでそれが耳へはいらないように、一尺ずつあるいは一寸ずつ、徐々として彼の胸の上へ下って来る...
芥川龍之介 「首が落ちた話」
...其の生活の上に數限りなく現れて來る不合理を見て見ぬふりをしてゐるやうに...
石川啄木 「第十八號室より」
...発見するのは自分が性と云ふ最も自然な健康な本能によつて限りなくおびやかされ...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「結婚と恋愛」
...初め生存競争上最も有効であつた其の同じ性質が限りなく発達して...
丘浅次郎 「人類の将来」
...ばさりとススキをゆする風が西山から来ると、もう昨日のような日中の暑さは拭い去られ、すっかりさわやかな日和(ひより)となって、清涼限りなく、まったく宝玉のような東北の秋の日が毎日つづく...
高村光太郎 「山の秋」
...心の中に限りなく...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...数限りなくあるわけだ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...この身体が煙となって心ばかりが限りなく生きるといったような気持ちの神秘的な誘惑なのです...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...作家の労作は苦しいが一面それは限りなく楽しいことでもある...
野村胡堂 「随筆銭形平次」
...限りなく無関心な静けさを眺め廻して...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...限りなく感じのいい顔を縁取っている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...政治の論理と人間の論理との一致を理想として歴史は限りなく悲劇を繰り返しつつ進んでゆく...
三木清 「政治の論理と人間の論理」
...この集を世に出す事になつたのも主として自分自身を限りなく戀しく思ふ心持に基くのである...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...夜は星が數限りなく輝いた...
水上瀧太郎 「山を想ふ」
...彼は他のすべての才能及び徳性においてわたしを越えること限りなく遠かったように...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...むしろ限りなく高いところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...今では君子の想像のままに素姓の秘密を限りなく掘り広げている...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...限りなく純化され浄化されようとする傾向を持った...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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