...やらやっと重たい腰を引立(ひった)てて出て来たことよ...
泉鏡花 「悪獣篇」
...重たい香(かを)りだつた...
犬養健 「朧夜」
...春風に似て春風よりも少し重たい風が耳朶をなぶる...
太宰治 「お伽草紙」
...高い枝のは打ち落して重たい笊をかかへて帰る...
中勘助 「銀の匙」
...ゆき子の重たい顔をかゝへてゐながら...
林芙美子 「浮雲」
...重たい花べんとをのせているものだったとおもいます...
林芙美子 「新生の門」
...」客の飲み食いして行った後の、テーブルにこぼれた酒で字を書きながら、可愛らしいお初ちゃんは、重たい口で、こんな事を云った...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...重たい屋根に押しつぶされる前に...
葉山嘉樹 「牢獄の半日」
...重たい鉄の扉を押して...
原民喜 「夢と人生」
...殆んど自分の頭の真上から重たい大男にしやがみこまれて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...昼と夜が入れ替ろうとする重たいような空気のなかで...
本庄陸男 「石狩川」
...その家の重たい、彫(ほり)のある扉のそばには、「法律顧問官ライネル」という名が読まれた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...こんなに重たいキモノを着てステージを動きまわりながらうたうとは大変なお仕事ですね」とびっくりされました...
三浦環 「お蝶夫人」
...なんでもおれのいうとおりだ」「それがどこが悪いの?」「おれには重たいんだ」私は自分の悲鳴のような声がわかった...
山川方夫 「演技の果て」
...「重たい、重たい、きいきがよくなったから重たい重たい、さあいって燕にお早うをしよう、燕もねえ、大さんお早うって云うよ、お早うって」「燕はもういませんですよ」うしろから勝江がそう云った、「――二三日まえからいなくなりましたの、もう南へ帰ったのでございますわ」高雄ははっとした、燕は去ったという、うわ言にまで云っていた大助の燕が...
山本周五郎 「つばくろ」
...地面を掻(か)く重たい蹄(ひづめ)の音と...
山本周五郎 「風流太平記」
...……これは何か重たい刃物か何かの柄(え)を...
夢野久作 「巡査辞職」
...重たい鎖に繋(つな)がれて...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
便利!手書き漢字入力検索