...その清らかな襟許(えりもと)から...
泉鏡花 「歌行燈」
...清らかな柱には鏡を懸けりつぱな柱には玉を懸け...
稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳 「古事記」
...清らかな女の声でうたうのが手に取るように聞こえる...
寺田寅彦 「竜舌蘭」
...七 清らかなる外気のうちに「空気が澄んでおりますな...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...その清らかな花の姿と...
豊島与志雄 「梅花の気品」
...この道の最も豊かに清らかな景物であろう...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...最も清らかな慰藉(いしゃ)でもあるからである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...清らかな夜の物、快適な食事、ほろ酔い、そして奇瑞の枕の、銀の棒が温められました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...やたらに白いものが清らかなものに思へ...
林芙美子 「小さい花」
...白雲をあやどる山脉はいよいよ迫りてかぶせかゝらん勢ひ恐ろしく奥山の雪を解かして清らかなる水は谷を縫ふて其響凄し...
正岡子規 「かけはしの記」
...清らかな朝日を浴びて...
宮本百合子 「餌」
...我々に人生の清らかな快い味わいを与えるもので...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...それは城からひがし北に当る山ふところにあり、清らかな流れと、谷峡(たにあい)の眺めの美しい場所だった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...その清らかな眼鼻立ちを見ただけでもわかるのでした...
夢野久作 「死後の恋」
...それは姫草ユリ子なる名称が、彼女の清らかな、可憐な姿の感じに打って付けである事を、彼女が自覚していたばかりでない...
夢野久作 「少女地獄」
...憂愁を湛(たた)えた清らかな眼差(まなざし)は...
横光利一 「微笑」
...胸から胴への清らかな肉づけや...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...しかし後者が嬰児の美を生かせたに反して前者が清らかな少女の美を観音にまで高めたことを思うとき...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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