...かう云ふ重々しい全体の感じは...
芥川龍之介 「支那の画」
...にわか百姓の素性(すじょう)を裏切る重々しい椅子とで昼も小暗い父の書斎は都会からの珍客で賑わっていた...
有島武郎 「フランセスの顔」
...振子は鈍い重々しい...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...ヘンリー・ジーキルの重々しい軋むような足取りとは全く違っていた...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...何とも手のつけやうがない」房一の顔は重々しい沈思の表情と太い興奮の色とで紅黒く...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...程近い時の鐘が重々しいうなりを伝え伝えて遠くに消えることもあった...
寺田寅彦 「イタリア人」
...重々しい活気と田舎者(いなかもの)めいた健康との印象を人に与えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...重々しい生の重荷を平然とになってるこの人のそばにいると...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...灰白色の中に鈍銀の針を包み込んだ重々しい而も冷かな大気が...
豊島与志雄 「未来の天才」
...重々しい響きで、オーステルリッツ橋を渡ったことを察した...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...(訳者補 主よ我は爾を呼ばわりぬ)」重々しい声がまた初めた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...妙に重々しい頭の下に両手を入れて...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...何か私に重々しい印象を与えていたことは既に述べた...
原民喜 「翳」
...憲法という重々しい漢語を用うると...
穂積陳重 「法窓夜話」
...気取り込んだ重々しい声色で...
牧野信一 「変装綺譚」
...私のように長く心の病気をおさえている人はないでしょう」大将はこの言葉のとおりにもう軽々しい多情多感な青年ではない重々しい風采(ふうさい)を備えているのであるから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...総じて重々しい風采となり...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そして左からと正面からと光線の射し込む位置に重々しい唐木の机は置かれたのである...
若山牧水 「樹木とその葉」
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