...また那須野(なすの)が原(はら)よりも大(おおい)なり...
巌谷小波 「こがね丸」
...大臣で那須野ヶ原に地面を持っていないのは貴方ぐらいのものでしょう...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...――大臣は自らの持物なら那須野原のような黒土の地層が僅か一寸ぐらいのところでも...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...那須野を知らむとせば...
大町桂月 「鹽原新七不思議」
...彼の那須野の地面と云ふものは...
田中正造 「亡國に至るを知らざれば之れ即ち亡國の儀に付質問」
...那須野の黒羽(くろばね)の向うにある雲巌寺(うんがんじ)なども世の塵の至らない別天地だと思ひます...
田山録弥 「談片」
...到底那須野(なすの)に稗(ひえ)を作った乃木さん程の上手な百姓は出来ぬ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...殊に那須野を横斷する抔といふことが手柄のやうに思はれた...
長塚節 「痍のあと」
...秋の菓物杉深き溪を出で行けば草山の羊齒の黄葉に晴れ渡る空鹽谷のや馬飼ふ山の草山ゆ那須野の霧に日のあたる見ゆ(下野鹽原の奥)山梨の市の瀬村は灯ともさず榾火がもとに夜の業すも(多摩川水源地)瓜畑に夜を守るともし風さやり桐の葉とりて包むともし灯黄葉して日に/\散ればなり垂れし庭の梨の木枝の淋しも二荒山いまだ明けねば關本の圃なる梨は露ながらとる羇旅雜咏八月十八日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...頼朝が下野の那須野ヶ原で狩猟(かりくら)をした折に...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...私は口惜いけれど那須野ヶ原に退散しますよ」そういいながらお栄は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...那須野の自然は実際好い...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...しかもこの新日本的の那須野と対照して...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...那須野(なすの)を吹く風は...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...わたくしは那須野をよく知りません...
長谷川時雨 「平塚明子(らいてう)」
...病床から硝子戸越しに降りしきる那須野の雪を見て居ると寒さが身にしみ入る様で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...那須野原吹雪ぞ渡る我が上をそれより寒き運命渡るこの時は大分の重態で御本人も寛先生も死を覚悟された模様であつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...あるとき彼は那須野の老軍人が買つて置いた土地の爲の用事で...
水野仙子 「醉ひたる商人」
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