...彼等の矮小卑吝は遺憾なく此の一言中に暴露されてゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...其要求の通りに作物が遺憾なく目的を達して居るのである...
伊藤左千夫 「『悲しき玩具』を読む」
...それが日本の力に触れて忽(たちま)ち薄弱なる実力の遺憾なく外面に暴露され...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...芳子は明治の女学生の長所と短所とを遺憾なく備えていた...
田山花袋 「蒲団」
...それを遺憾なくわからす術(すべ)のないのが焦躁(もどか)しかった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...またいろいろの余儀ない故障のために親戚(しんせき)のものだれ一人片付けに行く事のできなかった遺物の処理までも遺憾なく果たしてくれた...
寺田寅彦 「亮の追憶」
...その思想統制を遺憾なく漫画化した点に於て...
戸坂潤 「思想動員論」
...憲政党の組織に関しては初より大に遺憾なくむばあらず...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...濃く塗りたる白粉(おしろい)のために男にもあらず女にもあらぬ一種怪異なる感情は遺憾なく実写せられたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...先生は非常に優れた教育者としての一面を遺憾なく発揮されて...
中谷宇吉郎 「球皮事件」
...菊田の欠点を遺憾なく発揮したものだが...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...演奏場などその他万般の設備を遺憾なく整え...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...すでにボダン*によって遺憾なく論ぜられているし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...故伯爵の凝(こ)り性(しょう)と用心深さを遺憾なく発揮したものであった...
夢野久作 「けむりを吐かぬ煙突」
...米国式国民外交の特徴を遺憾なく発揮した波瀾万丈を極めたものでありました...
夢野久作 「暗黒公使」
...遺憾なく説明し得べし...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...ロォヌはまさにこの流達の本性を遺憾なく示してゐる...
吉江喬松 「山岳美觀」
...百名は遺憾なく近来の慾をみたした...
吉川英治 「三国志」
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