...かの猶太廓の戀のなりゆきを問ふに遑(いとま)あらざりき...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...一々応接する遑(いとま)あらざる面倒臭さに...
内田魯庵 「露伴の出世咄」
...彼はジュリアに返事をする遑(いとま)もなく...
海野十三 「恐怖の口笛」
...その例証は之を挙ぐるに遑あらず...
高木敏雄 「比較神話学」
...勾当の逸事は枚挙に遑(いとま)なし...
太宰治 「盲人独笑」
...技術学的要求が自然科学的研究を動機づけ促進させることの例は枚挙に遑ない...
戸坂潤 「科学論」
...これ北斎をして自(おのずか)ら一派一流の法式を墨守(ぼくしゅ)するの遑(いとま)なからしめたる所以(ゆえん)ならずや...
永井荷風 「江戸芸術論」
...一 おのれかつて井川滋(いかわしげる)君と『三田文学』を編輯せし頃青年無名の作家のその著作を公(おおやけ)にせん事を迫り来れるもの頻々(ひんぴん)応接に遑(いとま)あらざるほどなるに...
永井荷風 「小説作法」
...小野さんは一字の間投詞を挟(さしはさ)む遑(いと)まなく...
夏目漱石 「虞美人草」
...今は歴史的敍述に立入る遑はない...
波多野精一 「時と永遠」
...一片の附焼麺麭に歩を停むるの遑(いとま)なきに至れるが為なり...
正岡容 「大正東京錦絵」
...和歌が人を感動せしめたる例枚挙に遑(いとま)あらず...
正岡子規 「人々に答ふ」
...おや落したかとすこし遑(あわ)てて見直したらね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...深思の遑(いとま)もなく...
吉川英治 「黒田如水」
...飢えを思う遑(いとま)もなく...
吉川英治 「新書太閤記」
...病気する遑(いとま)もない」「わたくしよりは御老母様が...
吉川英治 「新書太閤記」
...無駄口をかわしている遑(いとま)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...暖める遑(いとま)もなくそれを茶碗で酌(く)み交わして...
吉川英治 「宮本武蔵」
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