...過ぎ行く夢は大影(おほかげ)の奥にかくれつ...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...呼ばはりて過ぎ行く夢は去りぬ神秘(くしび)に...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...鮎くれて寄らで過ぎ行く夜半(よわ)の門という句がある...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...時の過ぎ行くと共に取り去られて...
高浜虚子 「丸の内」
...しかし過ぎ行くものをして静かに過ぎ行かしめよ...
田山録弥 「百合子」
...梅雨晴れの輝かしい街衢の高みを過ぎ行くものは...
富永太郎 「俯瞰景」
...「こんなところが剣呑(けんのん)じゃ」と言って過ぎ行く一隊の中で...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの過ぎ行く舟の中の人はマドロスさんではないのか――いや...
中里介山 「大菩薩峠」
...朴の木のもとを洗つて作並の浴槽の側を過ぎ行く水はこゝから見える密樹の根からしぼれ出る雫の聚りである...
長塚節 「旅の日記」
...現在――この過ぎ行く瞬間――だけが私に彼を統御(とうぎよ)し...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...よしありたりとも「よらで過ぎ行く」とは言い得ざりしなり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...柿店の前を過ぎ行く夜寒かな御成道は車少く...
正岡子規 「夜寒十句」
...そうして過ぎ行く月日の間(うち)に...
松崎天民 「友人一家の死」
...手工藝をただ過ぎ行くものとして捨てる人もあるが...
柳宗悦 「地方の民藝」
...過ぎ行く夏が惜しまれる...
横光利一 「琵琶湖」
...樹(こ)の間(ま)過ぎ行く月のおん影こそ忘れ得ざらめしみじみ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「あんたグレンブルク原作と称する『時は過ぎ行く』見た? カラコラム映画――そんなのあるかな」「いや...
オン・ワタナベ(渡辺温) 「兵士と女優」
...人は永遠を欲する! 深い永遠を欲する! しかも欲する心は過ぎ行く心である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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