...息苦しい時が遅々として進んだ...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...彼女たちはこもごもの思いと一日の疲労に踏む足どりも遅々としていた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...かたつむりのごとく遅々として地を往くほうが...
谷譲次 「踊る地平線」
...「時」の歩みと云うものが驚くほど遅々として...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...遅々として進捗しない...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...写経が遅々としてなかなか進捗しないのを...
豊島与志雄 「蔵の二階」
...前進は遅々として困難だった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ロイドに手伝わせながら「退潮(エッブ・タイド)」遅々として進行中...
中島敦 「光と風と夢」
...遅々としてはかどらないようであった...
中谷宇吉郎 「壁画摸写」
...人智によるその認識が遅々としているかということなのである...
中谷宇吉郎 「雪」
...人の預覚の後(しり)えに遅々として来たるものなりと...
新渡戸稲造 「我が教育の欠陥」
...なぜかというに藤原時代に文明の波及が遅々としておったのは...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...久しく自動車に慣れた近代人には牛の歩みの遅々としていかにも初春の気分になる...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...それは遅々として進まなかった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...未だに遅々としている銀三に較べて...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...船脚すこぶる遅々として根っから効なし...
山本笑月 「明治世相百話」
...遅々として天界で滅んでゐた...
横光利一 「静かなる羅列」
...人間の数は遅々として増加するが労働維持のための基金は速かに増減するのであるから...
デイヴィド・リカアドウ David Ricardo 吉田秀夫訳 「経済学及び課税の諸原理」
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