...思想感情の直寫は同類の間にのみ通ずる貴族的隱語である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...この言(ことば)は殿様に通ずるんだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...われわれは新興国民として古今東西に通ずる大原理に立って世界に躍進するゆえんの道を考えねばならぬ...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...次の部屋へ通ずるげんじゅうな扉を...
海野十三 「三十年後の世界」
...刺(し)を通ずるまでもなく挨拶(あいさつ)に出たが...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...その室と室とを通ずる扉(ドア)は空気がどの室をも自由に吹き抜けられるようにと開(あ)け放してあったので...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...「焚(た)」くは (Skt.)dah に通ずるがこのほうはよほどもっともらしい...
寺田寅彦 「言葉の不思議」
...これに反して恒星が地球を通ずる一直線上に羅列していたらばどうであろうか...
寺田寅彦 「方則について」
...学問全部に通ずる分類原理によって与えられた分類であるとは考えられていない(マーサリクにとっては基礎的学問以外の学問は系列的配列の内に数えられていない)...
戸坂潤 「科学方法論」
...ジュナップからブラッセルへ通ずる道の右手にある小高い狭い芝地を観戦地として選んだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「目の前に横たわっている明瞭なもの」くらいの意味に通ずるものであったらしく...
中井正一 「言語は生きている」
...根津権現(ごんげん)の方から団子坂(だんござか)の上へと通ずる一条の路がある...
永井荷風 「日和下駄」
...そこに哲学は宗教に通ずるものがあるのである...
西田幾多郎 「デカルト哲学について」
...裏木戸へ通ずる庭がよく踏み堅められて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一方往年の彼をして森鴎外やアナトオル・フランス等と一味相通ずる所あらしめた彼の好學心にも嚴然と死刑を命じたのである...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...しかもそのひと一人に通ずる歴(れっ)きとした名前を...
本庄陸男 「石狩川」
...通ずるものをもっている...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...キリスト教の「神の前での万人の平等」の思想と多分に相通ずるものを持つことを...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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