例文・使い方一覧でみる「透かし」の意味
スポンサーリンク...全然欄間（らんま）の色硝子を透かした午後の日の光の作用である... 
芥川龍之介 「あばばばば」
...まだ焔の舌を吐いているそのかすかな光に透かして見ますと...
芥川龍之介 「邪宗門」
...それは月の光に透かして見ると...
芥川龍之介 「素描三題」
...山清水の小流（こながれ）のへりについてあとを慕いながら、いい程合で、透かして見ると、坂も大分急になった石道（いしころみち）で、誰がどっちのを解いたか、扱帯（しごき）をな、一条（ひとすじ）、湯女（ゆな）の手から後（うしろ）に取って、それをその少（わか）い貴婦人てった高島田のが、片手に控えて縋（すが）っています……もう笠は外して脊へ掛けて……絞（しぼり）の紅（あか）いのがね、松明（たいまつ）が揺れる度に、雪に薄紫に颯（さっ）と冴（さ）えながら、螺旋（らせん）の道条（みちすじ）にこう畝（うね）ると、そのたびに、崖の緋葉（もみじ）がちらちらと映りました、夢のようだ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...黎明（れいめい）の明るみのうちに透かし見ると...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...暗い所から暗い空を透かして見た...
夏目漱石 「それから」
...より江はハモウニカを灯（ひ）に透かしてみました...
林芙美子 「蛙」
...まだ少々はあらう……」美津江は瓶を透かしてみた...
林芙美子 「雪の町」
...木立を透かして遠くを眺（なが）めた...
北條民雄 「いのちの初夜」
...雨の吹き込む中に闇（やみ）を透かしたり...
松本泰 「暴風雨に終わった一日」
...沈（じん）の木の透かし彫りの箱に入れて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...明（あかり）に透かして見れば...
森鴎外 「金貨」
...逃げる私もどちらもお互同志に透かし合いつつ……ミジンも姿を隠すことの出来ない...
夢野久作 「怪夢」
...そのナイフの刃を暗い窓あかりに透かしてみるとソイツが黒い女の髪の毛なんで……あっしはドキンとしましたよ...
夢の久作（夢野久作） 「人間腸詰」
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横瀬夜雨 「花守」
...硯面の蚕に似た斑紋を透かして見て...
横光利一 「旅愁」
...恋（こい）と剣（つるぎ）解脱（げだつ）の涼衣（すずぎぬ）一「やや、あれにおるのは？ ……」御方が目をみはると、千浪もびっくりしたさまで、「オオ尋ねるお人じゃ、新九郎さま、新九郎様ではござりませぬか」思わず呼ぶと、月影を透かして、ジッとこっちを見た新九郎、ハッと今の身を忘れて、手の木剣をカラリと捨てた...
吉川英治 「剣難女難」
...鑛物化した樣なその古木の林を透かして遙かに富士をかへりみる氣持は實に崇嚴なものであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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