...この粟散辺土(ぞくさんへんど)の中(うち)にも...
芥川龍之介 「俊寛」
...辺土(へんど)に対する都会人の恐怖や嫌悪(けんを)を除き去れば...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
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石川啄木 「一握の砂」
...空しくこの辺土に骨を埋めてしまわなければならぬ自分の運命を考えて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...「扨(さて)はそらごとにあらじ、古郷(ふるさと)を出て三百里に及べば、かかる奇異のことにも逢ふ事ぞ、さらば宿り求めんとて、あなたこなた宿を請ひて、やうやう六十に余れる老婆と、二十四五ばかりなる男と住む家に宿りぬ」南渓子も、養軒子も、相当の学者でありましたが、とうとう鬼の出現説に降伏して、避難の宿りを求めることになったが、そこで、「足すすぎて、囲炉裏(ゐろり)によりて木賃の飯をたきたきも、又彼(か)の鬼のこと尋ぬれば、老婆恐れおののきて、何事かかき付くるやうにいふ、辺土の女、其言葉ひとしほに聞取りがたくて何事をいふとも知れず……」土地が変り、音が変るから、老婆の恐れおののいて物語る節が、二人の旅行家には、どうしても聞き取れないけれども、この老婆が一つ家の鬼婆の変形(へんぎょう)ではなく、善良にして質朴なる土民の老婆であることは確実ですから、旅行家の方で念をおしてたずねてみました...
中里介山 「大菩薩峠」
...辺土に残っている不思議な葬礼弔(とむらい)と云う字は...
中山太郎 「本朝変態葬礼史」
...はるかの北のはずれの辺土である...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...新島ごとき辺土に永く留まった...
南方熊楠 「十二支考」
...この辺土人のいえるには...
南方熊楠 「十二支考」
...寂しい極東の辺土の美しさだ...
宮本百合子 「新しきシベリアを横切る」
...だましやすい辺土の住民としてだけ彼等を思い出した...
宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
...それが故郷を出て南北の辺土まで漂泊し...
柳田國男 「地名の研究」
...諸国の辺土には往々に自然稲の存在を伝えている...
柳田國男 「地名の研究」
...元来が辺土の夷(えびす)そだちで最前のように...
吉川英治 「三国志」
...いちじるしく辺土の民を徳化した...
吉川英治 「三国志」
...いかに富強でも中国は辺土に過ぎず...
吉川英治 「新書太閤記」
...「因幡(いなば)は辺土といえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...「小国辺土の国王大臣」を比丘尼よりも賤しとし...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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