...こう云う辺土(へんど)にも似合わない...
芥川龍之介 「俊寛」
...この粟散辺土(ぞくさんへんど)の中(うち)にも...
芥川龍之介 「俊寛」
...辺土(へんど)に対する都会人の恐怖や嫌悪(けんを)を除き去れば...
芥川龍之介 「澄江堂雑記」
...乱雲すさまじく故天にかへる辺土の朝の海...
石川啄木 「詩」
...今や文壇の趨勢既に『万葉』『古今集』以来古歌固有の音律を喜ばずまた枕詞(まくらことば)掛言葉(かけことば)等邦語固有の妙所を排(しりぞ)けこれに代ふるに各自辺土の方言と英語翻訳の口調(くちょう)を以てせんとす...
永井荷風 「江戸芸術論」
...「辺土未ダ清(オサマ)ラズ...
蜷川新 「天皇」
...魚猟のあとをおいかけてずるずると遠い辺土に踏みこんでいた...
本庄陸男 「石狩川」
...次の世には粟散辺土の日本といふ嶋の信州といふ寒い国の犬と生れ変つた...
正岡子規 「犬」
...次の世には粟散辺土(ぞくさんへんど)の日本という島の信州という寒い国の犬と生れ変った...
正岡子規 「犬」
...この辺土人のいえるには...
南方熊楠 「十二支考」
...諸国の辺土には往々に自然稲の存在を伝えている...
柳田國男 「地名の研究」
...九州の辺土にまでその名が轟(とどろ)いていたがゆえに...
柳田國男 「名字の話」
...いちじるしく辺土の民を徳化した...
吉川英治 「三国志」
...いかに富強でも中国は辺土に過ぎず...
吉川英治 「新書太閤記」
...「因幡(いなば)は辺土といえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...――なぜならば、善信は今日の出立を、(御仏(みほとけ)の命のもとに出で向く晴れの聖使――)と、願うてもない幸いと考えているのであるし、裏方の玉日も、(良人は、辺土の北国へ、念仏をひろめ賜うために立って今朝は教化(きょうげ)の旅の門出(かどで)――)と信じているので、そこに悲惨らしい影や、流人的(るにんてき)な傷心(いた)みとか悶えなどは、見られないからであった...
吉川英治 「親鸞」
...近江(おうみ)の佐々木盛綱(もりつな)といえばこの辺土にも知れ渡っている源家方の豪族である...
吉川英治 「親鸞」
...久しい間、藤原氏が政(まつり)の権を執っていたが、文化的には功績を残しても、その文化はやがて頽廃的(たいはいてき)な懶惰(らんだ)と爛熟(らんじゅく)の末期(まつご)を生んできたばかりか、藤原一門自体が、ただ自己を栄華し、私腹をこやし、この世は、わが為にあるものみたいな、思い上がりから、諸国の辺土に、大乱続出といったような、収拾できない世相をこしらえてしまった...
吉川英治 「源頼朝」
便利!手書き漢字入力検索